バイデンは団結させようとしている。トランプは分断させた。……ではオバマは?

「ここに7000万人のトランプ支持者がいます!」



【米大統領選2020】 バイデン氏、勝利宣言 「分断でなく団結させる大統領に」 - BBCニュース
前回の通常日記でも言及したお話をもう少しだけ。

そして、「私は分断するのではなく団結させる大統領になると誓います。赤と青に分かれた州ではなく、団結した州(合衆国)を見る大統領に、国民全員の信頼を勝ち取るために全身全霊で努力する大統領に」と語ると、聴衆から大きな歓声があがった。

【米大統領選2020】 バイデン氏、勝利宣言 「分断でなく団結させる大統領に」 - BBCニュース

うーん、まぁ、そうねえ。
これまで穏健中立派だったバイデンさんがそう考えているということを疑いはしないし、ついでにトランプさんがアメリカ社会を分断させてきたことにも同意しますけども、だったらそれ以前はどうだったの? という疑問を抱かざるを得ない宣言だとは思うんですよね。
――まさかいきなりトランプ政権によってアメリカが今のように「アメリカ社会の分断」生まれたはずもなく。
こちらは散々分析されてきた構図ではありますけども、トランプ政権は分断の原因ではなく結果であるわけでしょう。
もちろんそれをより深化させたという罪は否定しようがないものの、かといってそこに原因まで求めてしまうのが誠実で知的な態度とは言えない。


結局のところ、トランプ大統領は消えても、それでも彼に投票した7000万人ほどのトランプに投票した人たちが消えるわけではないのだから。
7千万超のトランプ票「忘れてはいけない」 喜びの裏で - アメリカ大統領選挙2020 [アメリカ大統領選2020]:朝日新聞デジタル
皮肉にも、過激な民主党支持者たちがしているようにトランプの悪行を強調すればするほど、「それでも投票した」人たちとの分断は進んでいく。まぁこの辺は本邦でも似たような構図があるのであまり笑えないよね、ワザと分断を煽っているならばかなりアレな振る舞いだなあといつも生暖かく見守っていますけど。


ともあれ、トランプを念頭に「分断させた大統領」と「団結させる大統領」という色分けをしてしまうと、必然的にその更に一つ前にあった前大統領のオバマさんもその基準で評価をする流れになってしまうのは避けられない。
バイデンは団結させようとしている。
トランプは分断させた。
……ではオバマは?



そうねえ、まったく部外者である日本人僕が外野から見ていて、そのバイデンさんが言う「団結」か「分断」かで色分けをするならば、オバマ政権はどちらかというと後者だったと個人的には思うよ。
当時副大統領だったバイデンさんは、そうしたオバマ政権時代の失敗の反省を活かすのか、あるいは成功していたというポジションからまた再現しようとするのか。
そのポジションからすると、「オバマ政権時代『にもあった』分断促進」の構図を反省と言うか総括()しない限り、また同じことになってしまうんですよね。
いやまぁオバマ政権では国民が団結していた! という世界観に全振りするならばそれはそれで一つの考え方ではあるとは思いますけど。




つまり、オバマ政権時代の当事者であったバイデンさんが、当時について「団結か分断か」どちらだと考えていたのかが左右することになる。
それこそが今後のアメリカ分断の行方を占う試金石になるのではないかと。
いやあ「団結させる大統領になる!」と高らかに宣言するバイデンさんは、オバマ政権時代についてどう考えているんでしょうねえ。




どちらにしても、団結に失敗すれば7000万人の宮崎勉トランプ支持者が、再び、次のトランプに投票することになる。


みなさんはいかがお考えでしょうか?