戦争は(同盟)外交の失敗と定義されている

まぁ安全運転をしているからシートベルトなど必要ない、なんていうバカなオッサンや若者はいっぱいいるしね。



坂本龍一氏のインタビューが話題・・・・ - Togetter
ということで新年早々から坂本龍一さんのありがたいお話であります

坂本龍一氏「戦争は外交の失敗と定義されている。攻めてきたらどうするんだという人がいるが攻められない様にするのが日々の外交の力。それを怠っておいて軍備増強するのは本末転倒」

坂本龍一氏のインタビューが話題・・・・ - Togetter

うん、まぁ、そうねえ。みなさんが指摘している通り「お前の中ではそうn以下略」以上に言うべきことは何もないかなあ。
保険・有事の備えと日々の外交を混同している。
その二つはトレードオフでは絶対にないし、どちらが一方だけあれば安心できるというわけでは絶対にないはずなのにね。
外交と軍備増強、どちらもやらなきゃいけないのが国家安全保障のツライところ。


しかし彼だけが殊更にバカ迂闊なことを言っているかというと、絶対にそうではないのであんまり責めるのもフェアではないかなあ。
つまるところ「日々の慎重な行動」と「有事の備え」の区別がついていない人たちは、まぁ私たちのミクロな個人生活を送っていても度々目にするわけでしょう。
安全運転をしているし事故なんて絶対に起こさないからとシートベルトや自動車保険なんて必要ない、と言ってしまうバカな人たちの如く。
むしろそういう「有事の備えを怠る愚か者が痛い目にあう」な物語って、私たち庶民の心の琴線に触れるスカッとジャパンな普遍的あるある小話でもあるよね。
今回の坂本さんが突っ込まれまくっているのって、ぶっちゃけそういう構図もあると思います。
なぜ「殺すくらいなら殺された方がいい」のような理想主義的平和論はあんなに良いことを言っているのに蛇蝎の如く嫌われるの? - maukitiの日記
以前の日記でも書きましたけど、そのツケを払うのは彼個人――どころか彼はアメリカ在住らしいのでノーリスクである――ではなく、私たち日本国民でもあるんですけど。
そりゃ批判されないわけがないよねえ。
おわり。





――でもこれだけじゃ寂しいしね。
普段から天邪鬼な日記を書いている僕としては、むしろボロカスに言われているからこそ、敢えて擁護できる部分を見つけるべきなのかもしれない。


ということで、擁護する論理を考えてみると、その「外交」を「同盟外交」と読み替えればわりとイケると思うんですよね。

戦争は(同盟)外交の失敗と定義されている

他者から戦争を吹っかけられないようにと、自分の仲間を予め増やしておこうと日々の努力=外交しておく。まぁ確かにその通りでしょう。それで100%安心できるわけではないものの、強力な同盟関係があればかなり高い可能性で戦争を抑止できるようになるのは間違いない*1
あの終末戦争待ったなしな冷戦構造だってその同盟関係と核抑止によって回避できたわけだし。
より究極的に目指すならば、究極的にはその『敵』とも同盟関係になっておけば、戦争の危険性をより減らすことができる。


つまり、2020年の現代世界においても、最も強力で凶暴な国家と同盟を組んでおくことが一番自国の安全保障に適うことになる。
軍事費という意味でも、戦争の回数という意味でも、まさにその通りの国家が太平洋の向こう側にありますねえ……。
もしかして:日米同盟



だから実は彼の言っていることってほとんどそのまま戦後日本に一貫してあった同盟外交政策でもあるんですよ。

「戦争は外交(同盟)の失敗と定義されている。(アメリカが)攻めてきたらどうするんだという人がいるが(アメリカに)攻められない様にするのが日々の(同盟)外交の力。それを怠っておいて軍備増強するのは本末転倒(=日米同盟を前提に軍事費は極小にすべきである)」

某鳩山さんはこの日本の外交政策の大前提をひっくり返そうと「日米中三角形」とか言い出してしまった故に、あそこまで「外交オンチ」と批判されていたわけでしょう。


Ω<つまり、坂本龍一という人物は、戦後日本の外交政策と極小軍事費の大前提にあった「日米安保一辺倒」な日本外交を賛美する親米ネトウヨだったんだよ!!1
ΩΩΩ<な、なんだってー!?


ということで坂本龍一さんは自民党政権外交政策を賛美するネトウヨだということが明らかになってしまったわけですけども、
ちなみに個人的も日米同盟(外交)こそが日本の安全保障において最も重要視すべき大前提だという点にはまったく同意する所ではあります。
その意味では僕もネトウヨかもしれない。


みなさんはいかがお考えでしょうか?
 
 

*1:第一次大戦……、うっ、頭が……。