国際社会も自ら助くる者を助く

つまり、自らをたすくるしていない人たちはどうなるかというと……。


情報BOX:エルサレムの衝突、ガザでの大規模戦闘に発展した理由 | ロイター
【解説】 イスラエルとパレスチナ 長年のわだかまりが新しい対立へ - BBCニュース
ブリカス産な「お前が言うな」とマジレスしてしまっては身も蓋もないのでそこはスルーするとして、しかしまぁ概ねよく解る2021年における「イスラエルパレスチナ」問題の解説と言えるのではないでしょうか。
平凡な僕には解決策なんてまったく思いつかないなあ。

イスラエルパレスチナ双方の指導者は、それぞれ身内の政治闘争に取り組み、自分たちの立場の温存に集中してきた。双方の指導者にとって最大の課題は、和平実現だったはずなのに。しかし和平実現に双方が真剣に取り組んだのは、もう何年も前のことだ。

この間、新しい考えがいくつか出現している。世界的に評価されている2つのシンクタンク、「カーネギー国際平和基金」と「アメリカ・中東計画」は4月19日に、最優先されるべきはパレスチナ人とイスラエル人の権利の平等と安全の平等だと主張する合同報告書を発表したばかりだ。

報告書は、アメリカ政府が「イスラエル支配下の領土に住む全員に対する全面的な平等と支援」を支持すべきで、「2つの異なる不平等な体制を支持すべきではない」と提言している。

新しい発想は良いことだ。しかし今週は昔ながらの現実とおなじみのレトリック、そして100年前から続く紛争が否応なしに再燃した音が、新しい発想も何もかも、かき消してしまっている。

【解説】 イスラエルとパレスチナ 長年のわだかまりが新しい対立へ - BBCニュース

イスラエルエルサレムを永遠かつ不可分の首都とみなし、パレスチナ人は東エルサレムを将来樹立する正式国家の首都にしたい考え。イスラエルによる東エルサレム併合は、国際的には承認されていない。

情報BOX:エルサレムの衝突、ガザでの大規模戦闘に発展した理由 | ロイター

うーん、まぁ、そうねえ。問題はイスラエル側もパレスチナ側もそろってそれを「望んでいない」ということだよね。
だからここで話はおしまいなんだ。


ここで私たちは古典的かつ現在進行形かつ最大の難問でもある国際関係のテーマに立ち戻るわけでしょう。
――本人たちが望んでいないことを外野の我々が強要することはできるのだろうか?
――できるとすれば、その大義名分の射程は一体どれくらいになるのだろうか?
ウェストファリアで確立して以来守り続けてきた『内政不干渉』の原則をどこまで守るべきなのだろうか?


内政不干渉原則というのは、つまるところ「天は自ら助くる者を助く」なんて素晴らしいお言葉があるように、まぁ現在の国連を頂点とした国際社会()というのも構図は同じなんですよね。

 戦闘が拡大する中、国連安全保障理事会は12日に非公開で緊急会合を開き、フランスなど欧州4カ国が共同声明で「深刻な懸念」を表明したが、安保理として一致した声明の発表はできなかった。安保理外交筋によると、中国などが暴力停止などを求める声明案を提案。ただ、イスラエル擁護の立場の米国が難色を示し、文言の調整が続いているという。

イスラエル軍の空爆続くガザ、死者は83人に 安保理対応は不調 | 毎日新聞

私たち日本人がお隣の中国や北朝鮮をずっと見ていて、まぁ素朴に確信しているように、本人が同じように思っていなければ悲しいかな我々は『懸念』することしかない。
見てるだけ。こうして口を出すことにすら揉めている有様であります。


自国内であれば話は簡単だったんですよ。
しかし管轄権を持たない外国ではそう簡単にはいかない。


すべての国家は、自らの管轄権の及ばない外部の人たち=自国民以外の人びとを救い保護することを、それでも試みるべきなのだろうか?
それで世界がより善くなるのであれば、もちろんそうするべきだよね。
――しかし、そもそもその行為を認めたとして、本当に世界はそれでより善くなるのだろうか?
こうした国際秩序をめぐる議論と言うのは、未だに答えの出ていない人類世界最大のテーマの一つでもあります。
アメリカや中国やロシアやヨーロッパ諸国そして私たち日本がやってきた過去の行状を横目で見ながら)……やっぱり僕は正解なんてさっぱり解らないなあ。
自信がある人は論文でも書いてみればいいんじゃないかな。ワンチャン歴史に名を残すこともできる!


内政干渉の是非について。
国外で苦しむ無辜の人たちを、そこに管轄権を持つ国家を無視してでも救済しようとすることの是非について。
今回のイスラエルパレスチナや、あるいはウイグルやシリアやスーダンを見て心を痛める人たち、世界を善くしたいと考えているみなさんはいかがお考えでしょうか?