『平和の配当』の有効期限切れ

『空母にほん』再公開まったなし!



沖縄返還協定締結から50年 「出撃拠点」から「防衛最前線」に - 産経ニュース
うーん、たいへん身も蓋もないお話。でも現代日本を取り巻く国際関係についてよく解る、ある種の象徴的なニュースですんごい面白いなあと。
最低でも県外」で盛り上がったあの頃から隔世の感があります。まぁ10年も経てばそりゃ世界も変わるよね。

沖縄が出撃拠点としてのみ必要ならば、一定の米軍基地を県外移転することも可能となる。それにもかかわらず在日米軍基地の7割以上が沖縄に集中する現実は「不平等」と捉えられ、県民の反基地感情をあおる材料となった。

だが、2010年代以降は戦略環境の変化が明らかになる。急速な経済成長で自信をつけた中国は尖閣諸島沖縄県石垣市)周辺海域での挑発行為をエスカレートさせた。さらに大量の中距離ミサイルを配備し、有事の際に米軍の来援部隊接近を阻止する戦略を採用した。台湾海峡で有事となれば、沖縄本島先島諸島も中国ミサイルの射程圏内に入り、文字通り「対岸の火事」ではなくなる。

複数の自衛隊幹部が口にするのは在沖縄米軍の「トリップワイヤ(仕掛け線)」としての役割だ。中国が沖縄を攻撃すれば自動的に米軍を巻き込むことになり、攻撃を思いとどまる可能性が高くなる。かつて「後方」だった沖縄は「前線」として半世紀前よりも一層厳しい状況に置かれている。(杉本康士)

沖縄返還協定締結から50年 「出撃拠点」から「防衛最前線」に - 産経ニュース

悲しいかな、おそらく、当時よりも更なる移設はむつかしくなっているのはまぁ間違いないのでしょう。
冷戦終結に伴う米軍再編の流れもあって、ある程度は(ここは立場による)減らすことには成功したものの、決定的な沖縄偏重な構図を打破することはできなかった。その間に次の戦争がはじまりつつある。おわり。
現時点では米中対立がどんなふうに終わるのかさっぱり解りませんけども、次の『平和の配当』でこそ基地が減るようにとお祈り申し上げます。




ともあれ、でもまぁ今の時点で問題を解決する方法がまったく無いかというと、別にそんなことないんですよね。
――ただ、台湾を見捨てればいいだけ。
――(強権的な政治権力からの)自由を求める声を上げる人たちを見捨てればいいだけ。
実際、『アラブの春』や『香港』なんかでも、デモ参加者なんて見捨てるべきだっていう人たち一杯居たわけだしね。今回も台湾を見捨てることで自分たちの安全が買えるのであれば、確かに一つの選択肢だとは思うんですよね。
「ウイグル等における深刻な人権侵害に対する非難決議」の見送りに関する声明 | 日本ウイグル協会
「自らの平和的状況を求める」という意味で言えば、先日の通常日記でも書いた公明党の行為は概ね一貫性があると擁護することはできるんですよね。だって中国に対する非難決議をすれば、多少なりとも関係が悪化するのは間違いないんだから。自分たちの平和を維持する為であればウイグルや香港は見捨ててもいい、というのは少なくとも短期的にはまったく合理性がないわけじゃないんですよ。
ただ、やっぱりそうする人たちは、人権擁護や自由主義といったリベラルな価値観を持っているとは二度と口に出してほしくないとは思いますけど。


そうすることで、少なくとも現状での米中対立の最前線から一歩身を引くことができる。もちろんそれ以外にも一杯「一歩引く」ことが求められるし、同様に今度はアメリカからも今の中国と同じようにアメリカから「圧力」を受けることになる。
どちらにしても大国たちの思惑に右往左往されることになると。
最初にも書きましたけど、だからやっぱりこれってパワーの無い私たちの悲しい話なんですよね。
こうならない為にこそ、常に『国家』というのは国家主権とその裏付けでもあるハードパワーを追求してきたのだし。
(そしてその極致が核兵器でもある)


対岸の火事であれば曖昧な態度で誤魔化すことができただろうけど、しかし最前線となってはそうもいかない。
結局、私たちはどちらの側に付くしかない。
どちらからも自由でありたいという古き良きナショナリズム溢れる人たちは、中国の思惑からもアメリカの思惑からも自由であろうとした北朝鮮辺りに一体どうやったのか聞いてみればいいんじゃないかな?
もしかして:核開発


出撃基地どころではなく、再び最前線に立たされつつある私たち日本について。
『空母にほん』再公開まったなし!
みなさんはいかがお考えでしょうか?