「ふむ……では相手とお互いの核兵器を減らすように約束してはどうだろうか」

軍拡競争の本質について。



原爆の日 五輪で黙とうなし 広島市、IOCに要請も「閉会式で共有」 | 毎日新聞
東京五輪の影響で…?NHKから8月6日の「原爆特番」がなくなる。地上波で43年ぶり【コメント更新】
ということで政治的中立(リメンバー大坂なおみ)を目指すIOCにも黙祷企画が断られてしまうだけでなく、NHKからもスルーされてしまったそうなので、折角だし『核なき世界』を応援する当日記でも今日という日に核軍縮について考える適当日記。








米ロ、戦略的安定対話を再開 核軍縮などを協議へ | ロイター
少し前にもようやくというか、今更というか、米露の戦略的安定対話の再開したそうで。

ジュネーブ/ワシントン 28日 ロイター] - 米国とロシアは28日、ジュネーブで核軍縮などを協議する「戦略的安定対話」を再開した。米国務省によると、複数回の非公式の準備会合を行った上で、9月下旬に再び協議を開催することで合意した。

協議には米国のシャーマン国務副長官とロシアのリャプコフ外務次官が出席した。

両国が戦略的安定対話を行うのはおよそ1年ぶり。バイデン米大統領とロシアのプーチン大統領は6月、「将来的な軍縮とリスク抑制の土台作り」のために対話を開始することで合意していた。

米ロ、戦略的安定対話を再開 核軍縮などを協議へ | ロイター

うん、まぁ、そうねえ。まぁ軍縮についての話し合いをすることは大事だよね。結局のところその成否を決めるのは相手との同意でしかないのだから。
『核なき世界』についても、散々あ~だこ~だ言われていますけども、まぁ所謂軍拡競争の基本構造として見れば話は簡単なんですよね。
自分の軍事費の予算は決められても、相手の予算については口出しできない。
それは核軍拡競争もほとんど同様で、つまるところ、「自分の核兵器の量」は決められても「相手の核兵器の量」までは決められないんですよ。
かくして相手のすることを信用できない私たちは、常に最悪の事態に備えて核兵器の量を確保しようとする。この辺の「相手に対する究極的な信用のなさ」というのは本邦にも沢山いる絶対的な核兵器廃止論者と面白いことに表裏一体で、まさに核保有国の正気を信じられない故に核廃絶を目指す動機と、核保有国が仮想敵国を信用できない故に絶対に核兵器を手放さないというのはほぼ同じ動機であります。
一見自身の削減意思が問われているように見えて、安全保障という性質上、実はそこに自らの意思が介在する余地ってそこまで大きくない。だからこそ軍拡競争というのは、しばしば、チキンレースのように不毛な競争が暴走してしまう。
まぁこんなのは自分たちは防衛費を極小に維持しておきながら、結局は相手側=中国の意思はまったくそんなことを考えておらず、案の定軍拡競争に巻き込まれてしまった私たち日本国民からすると今更なお話ではありますよね。


もちろんこの不毛な争いを止める方法はあって、冷戦末期から既に米ソがそうしていたように、「お互いに減らす」という約束があれば、安心して自分たちがしたいように減らすことができるわけで。
両者が約束さえできれば。
簡単な話だよね。
約束さえできれば。
何でこんな簡単なことが実現できないんでしょうね。人類は愚かすぎるのでは?(トートロジー
6日、広島原爆投下から76年 核禁止条約発効後初:東京新聞 TOKYO Web
その点で言うと、「彼らに約束させようという圧力をかける」という目的での核禁止条約にはそれなりに意味があるとは思うんですよね。
世界のみんなが言っているんだからやめよう! という身も蓋もない集団圧力。
まぁやっぱり「日本の参加の有無」でその米露中の世論の動向が変わるかという点では、僕は日本という存在がそこまで大きな発言力や影響力を持っていないと思っているので、ありえなそうと答えるしかありませんけど。
それこそ最初にも書いたように今回のIOCが黙祷をスルーしたのは示唆的でしょう。少なくともIOCはそこまで重要だと考えてないと思うよ。
でもまぁ世界における日本の存在感や影響力がSUGOIDEAKAIと素朴に考えている人たちはネトウヨな人を中心にいっぱいいるわけだしね。それはそれで一つの微笑ましい愉快なポジションではあります。

 報告書は中国については「核兵器の著しい近代化と拡大のまっ最中にある」とし、保有数を米ロに次ぐ三百五十発と推計した。
 新兵器開発を含めて軍拡の動きが目立つのは、国際秩序が米一極支配の時代から、先行き不透明な時代に移ったことも背景にある。
 不毛な軍拡競争を食い止めるために、世界の核兵器の九割を占める米ロには率先して軍縮を進める責任がある。そこから中国も加わる包括的な核管理の枠組みの構築につなげてほしい。

<社説>米ロの戦略対話 核軍拡の流れをとめよ:東京新聞 TOKYO Web

米露にお互いに核兵器を減らすように約束させたうえで、更には中国も同じように核兵器を減らそうと約束させる。核兵器にお金を使うのはムダなんだから、もうやめようという共通認識さえあれば。
実現できればノーベル平和賞待ったなしであります。
約束させるだけでいいなんてノーベル平和賞をとるのってかんたんじゃん!


当日記は、『核なき世界』を目指し米露中をお互いに信用させ核軍縮に合意できるだけの信頼関係を生み出せる、異世界転生したようなチートな能力簡単なお仕事が実現できる人たちを応援しております。
自分ではなく相手の意思こそ重要であるという、軍拡競争の本質について。
――そもそも私たちは、他国政府の意思を根本的に変えることなどできるのだろうか?
やっぱり国際関係論における重要なテーマではあるよねえ。約束(物理)とかやるなら話は別ですけど、時代背景や状況によってそういうことが偶然起きることはあったとしても、僕はあんまりそうした干渉が成功するとは思えないかなあ。


みなさんはいかがお考えでしょうか?