ワナビーな野党

なれたらいいな、とは思っているものの、しかし楽に惰性でやっていける現状の生き方を変える気が無い人たち。


菅義偉政権には失望。それでも野党の支持率が上がらない理由 | ハフポスト
うん、まぁ、そうねえ。今回もやっぱり同じ構図になりつつあって、割と現代日本政治における『最大の謎』といってもいいかもしれない、面白いネタではあるよね。

吉田教授は共闘の必要性を認める一方で、今回合意した共通政策の中身について、厳しい見方を示した。

「これまでの自民党政権の政策の批判が主で、反自民の支持を固めるためのものでしかない。多くの有権者が争点として重視する景気や雇用対策、マクロ経済政策(財政政策、金融政策)はどうするのか」

「それらを示したうえで、自民党とは違う国家や社会をつくるために野党は共闘するのだと説明しなければ、『単なる選挙互助会』と批判されるだろう」

菅義偉政権には失望。それでも野党の支持率が上がらない理由 | ハフポスト

ぐう正論。


未来はまだ変えられる――野党はコロナが照らし出した日本の根本問題と向き合え|三春充希(はる) ⭐みらい選挙プロジェクト|note
一応フォローはしているものの(国際関係では割とアレなことをいう評価な人なので)支持率調査以外はあまり真面目に見てはいなんですが、この人もこの件に関して似たようなことを言っていてかなりド正論だよなあと。

 野党に課された役割として、これまでの自公政権の総括や検証をすることは確かに重要です。けれども今の野党が政権を担うことを考えるのであれば、あるべき社会の姿を描くということを避けては通れません。

未来はまだ変えられる――野党はコロナが照らし出した日本の根本問題と向き合え|三春充希(はる) ⭐みらい選挙プロジェクト|note

ぐう正論(二回目)。


ともあれ、結局この問題って「能力の問題」か「意志の問題」か、という根本的で大前提なお話になるとはちょっと思っているんですよね。
――つまり個人的なポジションとしては、そもそも、野党の人たちって政権を本気で取ろうとは思っていないよね。いや、取れたらいいな、ぐらいには思っているかもしれませんけど。取りたいとは思っているものの、そのために何か具体的な行動を起こそうとは思ってないし、その為に身を切る=既存支持層との間にジレンマや摩擦を起こすつもりもない。


その一方で、現実に実現できる可能性がより高いという点で、上記お二人が指摘しているような「あるべき社会の姿を描く」ことを自民党総裁選候補たちがやっているのは、すごい皮肉で愉快なお話だよねえ。上記二人は実は自民党応援団なのでは???
もちろん立場の違いに決定的な差があるものの、まさに彼らが野党に苦言を呈していることと真逆の意味で、ガチの本気で「首相になろうと思っている」人たちが争う自民党総裁選がこうやって盛り上がっているのも、だからそこまで不自然ではないんですよね。
「あるべき社会の姿を描く」ことを本気でやっている人たち。
(だからその意味で、自分がどうしても実現したい政策がある政治家が、野党を捨てて『自民党に入る』という選択肢はそれなりに合理的でもある)




もちろん「自民党とは違うことをやります!」と堂々と主張したっていいんですよ。
そうすれば「自民党じゃなければ何でもいい」という一部有権者たちのある程度の支持を集め続けられることは間違いないんだから。
それはひたすらローコストな戦略で、やっぱりこちらも合理的ではあるんですよね。政権交代なんて考えずに、ひたすら野党として自公政権の失態(それがあるのは否定しようがない)を論っていればいいんだから。そうすれば少なくとも仕事をしているフリはできるし、更にはそれだけでなく一定程度の有権者の支持を集めることまでできてしまう。
なんておトクな戦略!


――でもそれって、実際の現実政治が証明しているように絶対にマジョリティとなるほどの射程は持たない主張であります。
いや、10年前なら一度はそれで通用したんですけども、(あの政権交代有権者が忘れてくれるまで)二度目はなくなってしまった。
ついでに言うと「口で文句ばっかり言うものの自分ではまるで手を動かさない上司」というのは、若者たちが嫌悪する共通認識にすらなってしまっている現代日本社会。年功序列なんてクソくらえであります。無能なオジサンには生きづらい世の中になってしまった。




なれたらいいな、とは思っているものの、しかし楽に惰性でやっていける現状の生き方を変える気が無い人たち。
一昔前に流行っていたワナビーかな?
うっ……日記を書いていて耳が痛い……。ま、まぁ明日から本気出すからセーフ。だから僕も野党の人たちが楽なポジションでいようとするのはすごく解ります。


ということで無責任なアドバイスをするならば、憲法改正しない代わりにもっと全力でアベノミクスをやります、とやれば僕はいいと思うよ。
でもそれが言えないのが現代日本の野党な人たちだよね。
いや、そのこと自体は批判するつもりはないし、それで実際に選挙で『ある程度(ここ重要)』勝てるならばやっぱり合理的な戦略だとも評価できますけど。文字通り「(議席数)二位じゃダメなんですか?」理論をガチでやっているのすごいよね。その通りまったく悪くない。


本気で政権を取る気のない、ように見えるワナビーな野党たちについて。
そして少なくとも本気で自分が首相になろうとしている、腐った政治家な自民党の総裁選候補者たちについて。


みなさんはいかがお考えでしょうか?