何回やっても自公マンが倒せない

気がついたら同じ自公政権。そしていつも同じように民主主義が死ぬ。


衆院選、自・公で絶対安定多数を獲得 「信任いただいた」と岸田首相 - BBCニュース
衆院選 全議席決まる 自民「絶対安定多数」維新は第三党に躍進 | 2021衆院選 | NHKニュース
はい、ということでね。あんまり国内政治を日記ネタにしないんですけどもまぁ折角のMATSURIだしね。

衆議院選挙は小選挙区比例代表を合わせた465議席の配分が決まりました。
自民党は選挙前の276議席から減らしたものの、単独で国会を安定的に運営するためのいわゆる「絶対安定多数」の261議席を確保しました。
立憲民主党は選挙前を下回り100議席を割り込みました。
一方、日本維新の会は選挙前の4倍近い議席を獲得し第三党に躍進しました。

衆院選 全議席決まる 自民「絶対安定多数」維新は第三党に躍進 | 2021衆院選 | NHKニュース

さすがにここまでの結果は予想外だと言うしかないかなあ。
自民が単独過半数確保の勢い、立憲はほぼ横ばい 朝日情勢調査[2021衆院選]:朝日新聞デジタル
一方で、報道された時には割とネットでも話題になっていた朝日新聞の情勢調査がかなりドンピシャに近くて――僕もそうはならんやろと思ってました――「なっとるやろがい!」的結果になり、世論調査における素晴らしい補正能力だと思います。担当に優秀な人が居るんでしょうねえ。
トランプ旋風以来事前世論調査にかなり疑問符が付くのが一般的になったこの現代社会において、それこそ世界的にも、割と画期的なレベルですらあるんじゃないかなあ。他の社が殊更に無能というわけじゃなくて、むしろ朝日が自慢していい事例でしょう。
ぶっちゃけ今回の選挙結果そのものよりも、この朝日新聞の成果こそが個人的に一番の驚きであります。
――相対的に、朝日は当てることが出来たのにそれが出来なかった読売などの失態としても。
「ここ数年で一番民主主義が死んでる」 - maukitiの日記
やっぱり今回も「民主主義が死んだ!」と叫ぶ人はいるんでしょうけど、真っ当なメディアこそが民主主義の礎であると信じている僕としては、朝日のこの成は一つの光明ではないかと。





ということで以下適当な雑感。

  • 自民公明
    • 結果だけ見るならば、元々経済に継ぐ争点の一つでもあった『コロナ対策』の評価通りの結果と言っていいんじゃないかな。いやまぁもちろんラサール石井さんのようなアレ*1な一部に見方もあるわけですけども、アベノマスクやらワクチン初動出遅れなど色々あったけど概ね相対的には成功している及第点、というコロナ対策評価がそのまま素直に出たように読めます。
    • この辺は陰謀論ではなく単純な政治評価として、コロナ禍=現状ではワクチン接種の取り組み成功がそのまま「最低限はやっている」と自民党に利したという皮肉な評価になっていてちょっと面白い。まぁもちろん今後また感染拡大の波、そしてコロナによる生活不安定化の反発がやってくるんでしょうけど、選挙は今なのだし。その意味ではやっぱりタイミングの勝利と言うべきか(それが現行憲法初の任期満了というのも面白いよね)。

 

  • 立憲共産
    • 今回の敗北は「あの」ヒラリーがトランプに負けた時の構図を思い出すところがあって、ネットで大騒ぎしていたのに蓋を開けてみたらご覧の有様感あるのは既視感あって愉快です。そんなアメリカ政治のダメな部分を真似しなくてもいいのにね。いやまぁ確かにバイデンさんの時は勝ったんだけどさ。あれは相手がトランプだから勝ったのであって岸田さん相手じゃ無理でしょう。
    • 数字としては現状維持で、敗北とまでは言えないという当事者たちの意見には一理あるんですが、だったら選挙前の大言壮語は何だったんだっていうね。むしろあの大口が実際に以上に「負けた感」出しているのがなんとも。
    • 共産はともかく、これで現状維持に終わった以上立民が内部から変われるかどうかが問題なんですけども、明らかにここまでやった――やってしまったサンクコストを惜しんで今更変われそうにないのが俺たちの知っているいつもの立憲民主党なんだよねえ。コンコルド立憲。

 

  • 維新
    • 現代日本社会で「All politics is local」というアメリカ政治におけるトーマス・P・オニールの箴言を体現する人たち。
    • 立憲から右派ポピュリズムな政権批判票が流れた漁夫の利感はある。まぁ意図したのか解っていないのか立憲自身がそれを切り捨てたんだからそらそうなるよね。完全に大阪を、大阪だけを制圧してて独立でもする気なのかな???感あってやっぱり面白い。そして端から見ている分にはコロナ対策が失敗しているにもかかわらずこうまで劇的勝利なのは、とても示唆的。
    • 個人的には政策にも政治志向もまったく共感できないんですけども、やっぱり上記localな政治活動の本質を体現したことによるこの結果はすごく興味深いです。下の国民と合わせて日本の政党のポストモデル候補の一つだよねえ。

 

  • 国民
    • 安全保障関連などはほとんど自民そのまんまで、よりボリューム中間層向けの政策をアピールをします、という割とかなり真っ当な事を日本政治でやったら一体どうなるの??? という世紀の社会実験を見ているようでとっても面白いです。今は少数だから出来ているそれが、大きくなった後もそれを実現できるのかうっすら期待してします。


ということで自民公明の与党はともかく「立憲共産の野党共闘の限界」と「維新の地域政党」そして「僅かに芽生えた穏健中道派の国民民主」という、当初の予定(野党共闘ムーヴメント)とはまったく違いながらもこれからの日本政治が景色が見えてきて面白くなった選挙ではありました。
タイトルにも書いた通り、自公政権にはぜったいにまけないっ→やっぱり自公政権は倒せなかったよ……なオチでもあるんですけど。
個人的要望としては自民党は運を味方につけたのだから(ついにで甘利さんも居なくなったし)今回は岸田さんにちゃんと4年やって欲しいです。それは第二次安部政権以前の様に短期政権で政権交代()を繰り返すべきではないという長期的政策の実現の為でもあるし、同時にまた野党たちが今後きちんと変わっていく時間を確保する為にも。
どちらにしてもきちんとした専門家の人たちの評論を楽しみにしております。



みなさんはいかがお考えでしょうか?