『概念のすり替え』という現代世界の国際秩序を巡る大乱闘に日本共産党が参戦!

「1つの党が民主であるかは、その党の党員が評価する」なんて。スマブラかな?


共産・志位委員長、党首公選を否定 「民主的と思わず」 - 日本経済新聞
共産が党首公選制主張の党員を除名へ 規約違反の「分派」と判断 | 毎日新聞
少し前からオタクたち大喜びで話題となっていた共産党の党首選についてのお笑いニュースがまだ続いていたの感。個人的には韜晦というか暖簾に腕押しというか、解っていてやってますよポーズが強くてあまり日記ネタにはできなかったんですが、期待の新人が現れてしまったそうで。


お、おう……。(志位さん辺りはセンシティブな話題だと解っていてブレーキを掛けていただろうに)おそらくあまり解っていない末端の人がここまで言ってしまうのは、ちょっと馬脚を露しているというか、無能な働き者というか……いや正直者なだけなのかもしれない。

「果たして民主的って言えるんでしょうか??」
ここで面白いのは、この発言が彼女の独自見解という枠を超えていて、ぶっちゃけそれは現代国際秩序を巡る最前線のテーマでもあるからなんですよね。
――つまり、西側の定義する『民主主義』や『人権』などの概念は勝手に彼らが決めているだけであって、中国やロシアには中国なりの民主主義や人権があるのだ、なんて。
https://apinitiative.org/2022/03/28/35121/:中国の民主主義と人権の「認知戦」に要警戒なワケ(江藤名保子) ? Asia Pacific Initiative 一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ
江藤名保子先生などが指摘しているように、まさにその発言って所謂『認知戦』のど真ん中である訳ですよ。

習近平政権が注力するのが、民主主義と人権の再定義である。例えば民主主義について習政権は「全過程の人民民主」という中国式の民主制度があり、「1つの国家が民主であるかは、その国家の人民が評価する」ものだと主張する。世界にさまざまな民主化の過程やレベルがあることを想起するならば、「民主主義は多様であるべきだ」「そこに暮らす人々の評価が大切だ」という耳あたりの良い言説に、つい頷きそうになる。

前回日記21世紀の戦争と平和 - maukitiの日記でも我々と彼らの『平和』についての中身の違いに言及しましたけど、そこれそ西側を自称する私たちからすると全く受け入れられない話ではありますが、中国やロシアの彼らは彼らなりに「民主的」手続きを経て習近平プーチンを選んでいるし、同様に私たちにとってはまったく同意できない基準ながらもで彼らにとっての『人権』を守っている。そしてウクライナ侵攻とも無関係ではない「平和」や「安全」の状態についても。
いやまぁもちろん日本共産党の公式ポジションとしては、そうした中国の『独自の民主主義』に反対しているのも間違いないんですが、
中国 独自の民主主義 強調/「人民が判断」というが…
近親憎悪が行き過ぎてるのか。それとも解っていないのか。あるいはただ口が滑ってしまったのか。議員ですらなくただの候補予定というだけの彼女が「欧米対中露」という現代世界における本格的なイデオロギー闘争の中心に参戦しているのは正直ちょっと……面白くてwktkするよね!




世界規模で『概念のすり替え』を試みる共産党の人たち。日本共産党の人が中国共産党と同じことを言いだしているのはさすがにちょっと……っやっぱwktkするわ!

「個々の国がイデオロギー的な線引きで他国に自分たちの『民主の標準』を押し付け、(中略)民主主義の定義を独占することは、実は民主主義を踏みつけ、民主主義の精神と真の価値を裏切ることである」として従来の民主主義の定義や基準への挑戦を示し、「各国の国情は異なり、歴史文化、社会制度、経済社会の発展の水準には差があるため、人権の普遍性堅持と各国の実情を組み合わせ、その国情や国民のニーズに応じて人権を保護するべきである」と主張した。

https://apinitiative.org/2022/03/28/35121/:中国の民主主義と人権の「認知戦」に要警戒なワケ(江藤名保子) ? Asia Pacific Initiative 一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ

トップという「生け贄」(何かあったときに全ての責任を取らせる役割)を構成員みんなで「ふつうの選挙」をして決めることが本当に「民主的」なんでしょうかね???

わたばやしゆか????????日本共産党????八王子市議予定候補さんはTwitterを使っています: 「日本共産党は党首公選制にしろって言う人たちにひとこと言いたい。 どういう人がトップになるかによってコロコロ言うことやることが変わる組織が、果たして民主的って言えるんでしょうか??」 / Twitter

う~ん、これは同じ共産党シナジーある。




「民主的」「人権」「平和」の定義について。
それってもっと直截に言えば、『正義』とは何か、という人類が繰り返してきた血みどろな闘争待ったなしの定義をオブラートに包んでいるだけだ、と言うと身も蓋もありませんけど。ザ・ポリコレ。
そんな難題に真正面から殴り込んでいくなんて、彼女は政治家としてすごいと皮肉でなく素直にそう思います。
だって私たちにとって、その正義の定義という議論は恐ろしく、故に「民主的」「人権」「平和」という言葉を使って誤魔化しているのだし、それこそ現代に生きる私たちが相対主義の陥穽に逃げ込んだ大きな理由の一つでもあるのだから。

一体何が「正義」なのかについて。
みなさんはいかがお考えでしょうか?