ふぇぇウクライナの領土なくなっちゃうよぉ。
ロシアと「恒久的停戦」で合意、ウクライナが発表 写真1枚 国際ニュース：AFPBB News
ウクライナ東部２州「特別な地位」 強い自治権付与 ：日本経済新聞
ようやく長かったウクライナ危機も終わりが見えつつありそう――例によって欧米側が飽きはじめた――なので、総括的にもう少し適当なお話を。
ウクライナ東部で戦闘再発、1人死亡 停戦合意に暗雲 写真6枚 国際ニュース：AFPBB News
まぁ停戦合意の文書こそできたものの、しかしやっぱり履行は難航しているそうで。でも幕引きとしてはこの辺なのでしょうね。しかし「特別な地位」を認めるというのは、正直ロシアさんちの寄り切り勝ちという他ないよなぁと。ちなみにこの構図で引き分けなのが欧米で、ほとんど一方的に「損」をしているのがウクライナではないかと。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41674
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41675
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41657
死ぬほど勝手な話ながら、明らかに「けしかけた側」である欧米はもう手を引きたいと思っているし、ロシアはロシアでそのコストから単純な攻勢限界点が近いことも解っているだろうし。ただ、悲しいことにそこにはウクライナ自身の主張が入る余地はない。
身も蓋もなく言えば、そんな二大勢力による平和への「生け贄」にされつつある勢力境界線上のウクライナ。いやぁいつか見た風景ですよね。両側から「東西ではんぶんこしようぜ！」とか言われていないだけマシかもしれない。
ウクライナ政府と親露派はともに、停戦合意の署名から数時間後に停戦を破ったとして互いを非難しており、ウクライナが6月に一方的に宣言しわずか数日後に崩壊した停戦と同じ結果に終わるのではとの不安が高まっている。
ウクライナ東部で戦闘再発、1人死亡 停戦合意に暗雲 写真6枚 国際ニュース：AFPBB News
個人的には現状の武力衝突による犠牲者や難民の責任の、少なくとも半分はそうした軍事行動を採り続けたウクライナ政府側にあると思っていますけども、一方で、ウクライナさんちがこうするのもまったく理解できない話ではないよなぁとも。だってそうしなければ『領土』を更に失うのはほとんど確実だったわけで。これ以上犠牲者を増やさないためとは言え、これから停戦を国内的に納得させることも簡単ではないでしょう。それってつまり事実上の現状追認なわけだから。
――それこそ、もう、（少なくとも国際法上は何の問題もなかった）固有の領土であったはずのクリミアを彼らはあっさり失ってしまっている。それに「加えて」ドネツクやルガンスクなどの東部域まで失うことをただ座視できるわけがなかった。
一連のウクライナ騒動の帰結が、クリミア喪失に東部の事実上の連邦化ですよ。現地自国住民を巻き込んだ内戦一歩手前まで踏み込むことで、どうにか更なる事実上の領土喪失＝完全敗北こそ回避できたものの、絶対にこれを勝ったと言うことはできない。おそらく、念願であったEU及びNATOの加盟は今回の交渉で必ずロシアから「先送り」を暗に要請されるでしょうし。
結局、ウクライナは東部を含めればおよそ領土の10分の1近くを失った――失いつつある。日本で言えば沖縄を失い九州がなくなっちゃうレベルですよ。私たち日本でも価値の薄い小島がどうこう言っていますけども、ウクライナの喪失っぷりはそういうレベルを優に越えてしまっている。今回の件で国際関係上で重要なのは、一度あまりにも容易に敗北してしまうと、ドミノのように次々と失いかねないという点を見事に現実に示したという点。クリミア奪取があまりにも上手くいった故に、東部域まで拡大したという要素はやっぱりあるでしょう。
――そして、挙げ句に、この過程において『国連』も『国際法』も何の役にも立たなかった。
かくしてその現状を追認＝黙認するような停戦合意が（ウクライナ自身の本心は半ば無視される形で）成されようとしている。彼らにできたのはその掛け金を上げるためになけなしのパワーを（自国住民を巻き込む形で）振り回したことだけ。
いやぁ何でこんな無意味なこと始めちゃったんでしょうね？ というとやっぱり乗せられた面が大きく自業自得な所ではありますけど。
この現実の出来事は、類似の危機感を抱えている国々にやっぱり大きな教訓を残すのだろうと思います。もちろん多くの人たちにとって内心では当然解っていたことでしょう。ただ、それが明確な形で現実の出来事として、証明されただけ。あんなにも国際社会の目が集まっていたにも関わらず、ウクライナはあっさりと自国領土の一部を失った。いやぁおっそろしいお話ですよね。誰ですか「現代世界で新領土獲得なんてほぼありえないよね」とか言ってたのは。
そしてまたクリミアへ - maukitiの日記
昨日の日記でも書いたように、やっぱり「またクリミアか」ですよ。
みなさんはいかがお考えでしょうか？
