そして(戦争を止めるのは)誰もいなくなった。
ということで僕がすっかり世俗を離れてSlay the Spire 2なんかを色々やっている間に、選挙が始まって終わったり、また戦争が始まって終わったりしてないとか、世間では色々あったりしたそうで。
ママは何を止めにいったのか 限界迎えた左派の反戦キャンペーン「日本は戦争したい国」 メディアウオッチ 皆川豪志
バズった「ママ、戦争止めてくるわ」 平和願う若者が忌避した皮肉 | 毎日新聞
「ママは何を止めにいったのか」産経新聞の記事、いくつか自我を出したものがあって面白い→新聞社同士で自我を出して批判し合うのは健全?それとも...? - Togetter
個人的に二重の意味で興味深いお話だと思ったのはこの「ママ戦争止めてくるわ」かなぁ。今の日本社会でそれを言うのはものすごくズレているという意味というだけでなく、意図しているのかしていないのか現代国際関係においてそれを言うのはこれ以上ないほど本質を突いているという意味で。
衆院選終盤、SNSを通じて話題になった政治的なハッシュタグ「#ママ戦争止めてくるわ」。東京新聞は投開票後の2月14日付け1面トップで大きく取り上げ、「平和バズった」「ネットで共感」などの見出しを付けてうれしそうだった。
ママは何を止めにいったのか 限界迎えた左派の反戦キャンペーン「日本は戦争したい国」 メディアウオッチ 皆川豪志
まぁ本邦では産経に限らず毎日新聞でも概ねバカにされている文脈として回収され、更にはアメリカイスラエルによるイラン空爆がほとんど同じタイミングではじまりより嘲笑されたお話ではあったようですが、ただこの『問い』自体は非常に重要な論点を示唆していると個人的に思うんですよね。
つまり、まさにその「戦争を止める」主体の不在こそが、戦争を止められず放置し続けている現代世界における無秩序状態の根幹でもあるわけで。
もう4年続いているウクライナでも、そして新たに始まってしまったイランでも「戦争止めてくる」と乗り出す人が誰も居ないのが2026年現在の国際関係であるわけでしょう。最早国連安全保障理事会が組織する国連軍も、あるいはアメリカが担っていた世界の警察官も、はたまた有志国連合すらも存在しない現代世界では、国際法違反であってももう誰も戦争を止めようとはしない。
――そう、ママ以外にはね。
この地獄のように暗い現代世界の中であればこそ、より燦然とした輝きを見せるハッシュタグ「#ママ戦争止めてくるわ」であります。戦後80年を過ぎいよいよ古い世界秩序は終わりを見せつつある。次の国際秩序及び国際法はジャパンが主導するという大号令。
――そう、ニューオーダーとはママなのである。
国連もアメリカも欧州連合や他の国際機関の誰も出来ないことをママが実現してみせるという、一歩間違えれば大言壮語という誹りを招きかねないながらも、平和を愛する私たち日本人だからこそ言わずにいられないのだ。
こうした複雑怪奇どころか八方塞がりな世界情勢を憂いて「ママ、戦争を止めてくるわ」ムーヴメントを日本発で起こしているのだとすれば、平和ケンポーを持つ平和主義国家ジャパンの面目躍如間違いなしであります。
えっ、そういう話じゃない?
そう……、わかりました、じゃあこの話はもう終わりで。
ともあれ、最初にも書いたように「誰が戦争を止めるのか」という点は、いよいよアメリカ及び国連を中心とした世界秩序が終わりを見せつつある現代においてものすごく重い問題であるわけですよ。
――いやむしろその点こそが『次の』国際秩序の根幹を決めると言っていい。
これまでは国連そして世界の警察官を自称していたアメリカによって担保されてきた『平和()*1』が終焉を迎えつつあるということは、まぁオタクな専門家だけでなく概ね一般人にも浸透しつつある。
ママでないとすれば、一体誰が戦争を止めてくれるのか?
1945年以来の国際秩序が終わり次はどのような秩序が、そしてこれからどの位の年月を経ればやってくるのだろうか?
みなさんはいかがお考えでしょうか?
*1:まぁもちろん「平和」の中身については喧々諤々の議論があったわけですけども、それでも「概ね平和」=「少なくとも戦争状態ではない」は維持されてきたわけで。