延命治療がやめられない

悲しい努力を続ける欧州連合さんちのお話。


EU、新たな対ギリシャ国際支援で原則合意| Reuters
EUとIMF、対ギリシャ融資第5弾を承認−欧州は新支援策を準備 - Bloomberg.co.jp
少し前のお話ですけど、やっぱりユーロの皆さんは時間稼ぎを選択したらしいですね。まぁなんというか茨の道を歩んでるなぁという感じではあります。
特にECBの中の人たちが恐れる『債務再編』はユーロの突然死を招きかねないというのは、多分かなりの部分まで正しい。でもこうして追加資金を延々と投入し続けることでもやっぱり緩慢死に至りかねないんですよね。
確かに理論的には「金の続く限り」債務再編を先延ばしにすることはできるんだけど、その為の資金はやっぱりヨーロッパの他の国々から出しているわけで。つまり時間を稼げば稼ぐほど、欧州諸国の人々の忍耐は目減りしていくと。金の問題だけなら簡単だったのに。


結局の所、債務再編という手術を選ぼうが、追加資金投入という延命策を選ぼうが、どちらにしても結果として『ユーロの一体性』が失われていくのは避けようがないんですよね。この選択肢においてより現状維持に近い後者を選んでしまうのは、まぁ仕方のないことなのかなと思います。


その一体性というものが提供する「ギリシャを救おうとする動機」とは、しかしながら救えば救うほど目減りしていく。一体性を守る為によかれとやっていることが、しかし逆にユーロ圏の分離縮小というトドメを刺すことへのハードルを下げ続けている。
こうして延々と追加資金という麻薬を投入し続けているのは、勿論ハードランディングを避ける意味や決断を先送りにしている側面もあるんだろうけど、実は狙っているのってそんなハードルを下げ続けて機が熟すことなんじゃないかとちょっと思ったりします。
いつか「覚悟完了!」する為の。