人柱が出てきたよ、やったね!

昨日の日記のオチとして「覚悟完了!」とか書いたんですけど、もっとそれにぴったりな話題がありました。


本日のテーマ。

人柱 ひとばしら (一般)

  • 工事の無事を祈るため、建造物の基礎に生贄として埋められる人。
  • 転じて、ソフトウェアや新商品などの人工物のテストのために(時には自ら望んで)犠牲になる人。
人柱とは - はてなキーワード

ドイツ、22年までに「脱原発」 法案を閣議決定 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News
ということでドイツさんは覚悟完了しちゃったらしいです。自分ちのことならともかく、他人事としてならば「そうか、がんばれ?」位な穏やかな気持ちで見ていられるというものです。ほんと他人事なら良かったんですけど。


ドイツの「脱原発」実験は成功するか | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/10450
ともあれ、やっぱり身も蓋もない言い方をすればドイツのそれはある種の『賭け』であるのは間違いないわけで。そのマイナス要因は上記のように既に幾つも挙げられてる。例えば「電気料金値上げの産業への悪影響」や「資源価格の押し上げ」や「ロシアの影響力の増大」や「フランスの原発依存」だとか。
それでも現状において、ニューズウィークの「原発を捨て、経済力を維持したまま自然エネルギーに移行する──それができるとすればドイツしかないが」というのは多分正しいんでしょう。『脱原子力』という議論において、ドイツほど好条件に恵まれている国は他にはないだろうから。
ちなみに私たち日本にはそんな広範なコンセンサスも、そしていざという時に助けてくれる隣国もないわけで。そんな極当たり前の前提条件を無視して「ドイツを見習え!」とか言ってしまう人もかなりいらっしゃるわけですけども、それって微妙にズレてると思うんですよね。それは前提条件もそうだけど、結局の所彼らのそれは自他共に認めるように、「実験」であり「賭け」であり「挑戦」であり「人柱」なんだから。
もし本当に将来のことを考えるのならば、この前例の教訓を活かせるように振る舞うべきじゃないのかと。バカみたいに全員で突撃するだけが脳じゃないんだから。


つまり『脱原発』という理想に向けてドイツが進んで人柱――間違えました挑戦しようとしているんだから、私たちはそれを外から暖かく見てれば良いと思うんです。もちろん多少の手助けするのやぶさかではない。成功しそうだったら後を追えばいいし、失敗しそうだったら別の方法を考えればいいわけで。別に今慌ててドイツの後を追う必要なんてほとんどないんだから。
対岸の火事を見るポジションな日本としては、この構図はある意味でとっても好都合な状況だと言える。
僕としてはどうせまた5,6年もしたら方針転換するんじゃないかって思うんですけど*1、それでもまぁ実際にドイツが達成する見込みは確かにゼロではない。
うん、成功したらとってもステキなことだよね。

「(原子力から再生可能エネルギーへの)移行は可能だという先例と、その方法を示す歴史的なチャンスだ」とビートルは言う。「国家としての競争力を損なわず、経済成長の妨げにならずに実現することは可能なのか? 堅調な成長を減速させたくないと考える中国やインドなどの新興国にとっては重要な問題だ。もしわれわれが失敗したら、誰が同じ道を進もうとするだろう。失敗すれば世界レベルで悪影響をもたらす」

ドイツの「脱原発」実験は成功するか | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

まぁそういうわけなので、私たちはほっと胸をなでおろしつつ、「ドイツがんばれー」とでも言っておけばよろしいんじゃないかと。

*1:ていうかドイツは既にもう一度同じ様なことを言ってそれを翻した過去があるわけで