野党たちのモラトリアムの来し方行く末

あ、これ2012年に見たところだ!


2017衆院選:朝日新聞デジタル
衆院、全465議席が確定…自公で313に : 選挙 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
北朝鮮「国難」で安倍氏圧勝 改憲に弾みか - BBCニュース
ということで概ね選挙結果も出たそうで。

安倍首相は先月、高まる北朝鮮の脅威を含め日本がさまざまな「国難」に直面しているとして、あらためて国民の信任を得るため任期満了より1年早い解散・総選挙の実施を表明した。
安倍首相率いる与党が「圧倒的多数」である3分の2の議席を維持したと、早い段階での出口調査で示され、安倍首相は当初の目的を達成した。

北朝鮮「国難」で安倍氏圧勝 改憲に弾みか - BBCニュース

うーん、まぁ、そうね。解散総選挙から希望に立憲爆誕とジェットコースターな展開ではありましたけど、基本は選挙戦後半からそのまま素直に着地したという感じでしょうか。思ったより自民が勝ったし、思ったより希望は粘ったし、思ったより立憲は勝った。しかし希望にしても立憲にしても、本人たちの思惑とは違う方向での「野党再編」に作用したのは面白い結果だよね。まぁ2010年代の野党たちのトレンドそのままではありますけど。
議席ではほぼ五分ではあるものの、このままの勢いでは確実に立憲の方が勝ちそう。でも民進党旧民主党)の遺産問題でいつもの内部のゴタゴタが露呈してしまうパターン。


しかし勢力図を見ると、ほとんどそのまま2012年の民主党大敗当時の勢力図に戻っているのは皮肉なお話。かつての維新も民主もほとんどなくなったものの、あの時とほぼ同じ大きさと場所に、そのまま希望と立憲が座っているだけ。何も変わっていないのは民主党政権時代の負の記憶遺産というか、野党再編生みの苦しみというか。良くも悪くもついに党が分裂してしまったことで、ようやく、そこから逃れつつあるのかなぁと。どちらも正統な後継者であることを押し付け合いそう。
悪魔たち*1に愛された邪悪な安倍政権もそろそろ7年目を迎えようとしているのに、一方で野党は名前こそ激変したもののそれ以外はなにも進んでいないのは、色々と日本の政治構造の根深さを察してしまうお話だなぁとしみじみ思います。



でもまぁ仕方ないよね。だって他の確固たる「自分」が見当たらないだもん。それこそ最初の一回目の『政権交代』は後光すらさすレベルでの大義名分でもあった。ところが二回目でもうほとんど陳腐化してしまったし、三回目にはもう使うことすらできそうにない。その意味で言うと『護憲』は改憲党是な自民党へのカウンターとしてはまぁいいんだけど、それって結局もし政権をとっても「改正はしません」という後ろ向きな何もしない宣言でしかないから、それだけで多数の人を集めるのはむつかしいよね。
もちろん政治家というのは大抵は権力が欲しいから政治家をやっているのであって、権力を握ってから使い方を考えるというのは別にそこまで間違っているわけじゃない。そもそもどんなに素晴らしい政策を掲げても、それを実現できるだけの権力がなかったら絵に書いた餅でしかないのだし。権力欲こそ政治である。でもそれはあくまで隠しておくべき本音であって、まさかそれを有権者たちに訴え錦の御旗として掲げるワケにもいかない。


にわかに表に出てきた『立憲』はそんな日本の野党たちのモラトリアムを終わらせる解答となるか。天皇国民感情等々、それが日本の政治と合うのかは、正直、諸説ありそう。
みなさんはいかがお考えでしょうか?