チキンレースがやめられないから

自発的に環境問題への対策が進まないのは何故? な、お話。


温暖化と消費社会のグローバル化、世界の脅威に 国連報告 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

「真の国富論」と題した報告書は、調査を行ってきた過去20年の間に世界のほぼ全体で、経済状況や衛生面、教育水準などが向上してきたと評価した。しかし「人間社会の発達における進化を維持するうえで最大の脅威は、生産と消費のパターンが明らかに持続性を失いつつある点にある」と指摘している。そして経済成長の化石燃料への依存を減らすうえで富裕国が先導的な役割を果たし、貧困国に持続可能な発展の道をしるすべきだと訴えた。

温暖化と消費社会のグローバル化、世界の脅威に 国連報告 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

まぁなんというか大抵いつも同じ事言ってる感じですよね。だから過去の例と同様に、これで何か進展するかというと、そうではない。だって以前も同じ事言って誰も説得できなかったんだから。新しいことを全く言わないのならば、(そして状況に何の変化も見られないと思うのなら)当然今回も誰も説得できない。
この構図って株式投機でバブルが崩壊する時の構図に似てると思うんですよね。
最初に逃げ出した人が負けで、ギリギリ最後まで引っ張った人が最も多く利益を得られる。あとは最後の最後危ない状況になったら逃げ出せばいいと。皆が皆そう考えているんだけれども、結局バブルは崩壊しちゃって、「最後に逃げれば大丈夫」と楽観的に考えていたほとんど全ての人が損害を受ける構図。


温暖化問題をはじめとする環境諸問題だって、結局の所、ギリギリ最後まで対策を遅らせて(一部の人が批判するような)「経済至上主義」をどこまで続けられるのかを見定めようとしている。もちろん私たち殆ど全ての人にとって「いつか大変なことになる」とは解っているけれども、それが「いつ」かは誰にも明示できない。
しかし反対に明示されて解っているのはそうした温暖化対策を先んじてやれば確実に、得られるはずの利益を失う羽目になる、ということなんですよね。
そうした行為を「経済至上主義」だと批判することは、まぁ確かにできるんだけれども、しかしそれで何か変わるかというと別に何にも変わらない。最初にブレーキを踏んだら負けというチキンレース的な構図が出来上がっている以上、引くことは許されないんだから。彼らにとって最初に引くことは負けることでしかない。
でも結局バブルが崩壊するように、わかっていても、大抵失敗しちゃう。


こうしたチキンレースな状況を止めようとするのに、彼らが馬鹿だからとか経済至上主義だからと語っても大して解決に寄与しない。ある意味でチキンレースの勝者にとってはそうした構図であればあるほど勝った時の利益は大きいのだから、むしろ解消するよりも促進を望んでさえいる。
それは「将来有望な会社に投資してその会社の成長を助ける」という本来の目的がさて置かれ、実際に何度もバブルを膨らまし結果崩壊させて痛い目にあっているのに、私たちが株式投機を廃止できないように。
故に温暖化問題も、やっぱり人類のいつものパターンとして、おそらく痛い目に会わないとチキンレースは収まらないんでしょう。


で、自発的に無理ならば「ルールを決めてそれを抑えよう」と国際的な合意を目指すけども、しかしやっぱりチキンレースの魅力に敵わずに失敗すると。
温暖化問題が解決しない政治的な三大理由 - maukitiの日記
がんばれ人類。