「戦争は社会を変える」の一例

よく「戦争は人間を進歩させる」とか言いますけど、その全部とまではいかなくても、しかし半分位は事実ではあるんですよね、なお話。


同性愛者の入隊規制を撤廃、米大統領が法案に署名| Reuters
http://www.47news.jp/news/2010/12/post_20101222234602.html
「同性愛者OK」で米軍は進化する | アメリカ | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

 人種や宗教、性的指向のような業務に関係ない理由に基づいて人材を限定すれば、本来なら組織に貢献してくれるはずの優秀な人々を排除することになる。メジャーリーグは人種差別を廃して一段と盛り上がったし、アイビーリーグの大学はユダヤ人をはじめとするマイノリティーに門戸を開いて更なる躍進を遂げた。

「同性愛者OK」で米軍は進化する | アメリカ | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

単純に米軍の例を見ても解るように、こうした様々な軍務禁止規定は戦争と共に撤廃されてきたわけであります。かつての第二次大戦期の黒人の問題や、あるいは湾岸戦争以後の女性の問題など。そしてついにこうして同性愛者の問題にまで至ったと。
それも考えてみれば当たり前なんですよね。軍組織がもっとも人材を必要とする時期というのは、つまり戦争が行われている時期なんだから。そして「戦争状態」というのは私たち人類の活動形態の中でももっともダーウィン流の自然淘汰の論理がまかり通る状態でもあるから。わざわざ不合理な選択肢をしていたそれまでの伝統や価値観や既得権益は、その単純な「非常時である」という最も強力な論理によって是正される。
その意味で、やっぱりアメリカの9.11後の戦争がこうした同性愛者容認の流れを作ったのは間違いないんですよね。


おそらくほっといてもいつかそうしたことは達成されただろうけども、しかし、それを早めたのは間違いない。
それが良いことなのか悪いことなのか、についてはここではさて置くとして*1、「戦争は人間を進歩させる」という言葉には少なからず真理が含まれていると思うんです。より正確に言うのならば、戦争がその不合理の是正を速めた、と。

*1:結果的に、後世歴史として見た場合に、それが良かったのか悪かったのかについてはとても難しい問題ではあります。