はやく時間切れになーあれ

「ピンチに真の力が覚醒する主人公補正待ち」なお話。


http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/15433
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/15675
ということでとうとう次はイタリアさんらしいですよ。ギリシャ6個分のイタリア。イタリアさんちの抱える爆弾の大きさ(1兆9000億ユーロの負債)は大体ギリシャさんちのそれ(3300億ユーロ)の6倍もあるので破壊力は約6倍ですね。イタリアさんまじこわい。まぁ私たち日本の戦闘力は更にその4倍位なんですけど。戦闘民族日本こわい。
しかしなんというかもうそろそろ飽きてきちゃいました感がありますよね。「ユーロを救い、欧州を救う時が来た」確かにその通りです。今度こそマジ本気だから。で、もうそれ一体何度目でしょうか。

 欧州が直面しているのは陽光きらめく地中海の小国の流動性問題でなく、通貨同盟全体にかかわるシステミックな危機であるというのが、この問題の核心なのだ。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/15675

結局の所そういうことではあるんでしょう。そしてその欠陥はそれこそユーロ導入当時からも言われてきた話でもあります。ギリシャ等だけが抱えているのではなくて、単一通貨制度の欠陥そものであると。多額の経常赤字の累積による過剰な借り入れ。自転車操業状態。これまではそれをギリシャアイルランドなど『固有』の問題であるとして誤魔化してきたけれど、しかしもうその時間稼ぎは通用しなくなりつつある。しかし皮肉にもそんな時間稼ぎのおかげでようやく、本質的な欠陥に切り込めるようになったわけで。「通貨同盟全体にかかわるシステミックな」欠陥。
これまで時間が解決してくれると、あるいは勢いで解決できると、ずっと見て見ぬフリをしてきたのに。


日本でもそんな債務危機が叫ばれ、その解決に全然道筋がつかないことが嘆かれてきましたけど、しかし現在のユーロやアメリカでも起きている現状*1を見る限り日本って特別じゃなかったんだなぁと、ある種の安心というか達観してしまいますよね。やっぱりそんなもんどこの国だって事情は同じでしかない。

勇敢な行動を取ろうとすれば、そこに政治的なハードルが立ちはだかることは明らかだ。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/15675

私たちにできることと言えばそんな『政治的なハードル』が下がるのをじっと待つしかない。ただ危機が進行するのをじっと見つめているだけ。多数の利害が衝突する健全な民主主義政治の下に生きる私たちが、いつだって問題を先送りにするのは、そういう理由なんだなぁと暖かい気持ちになります。
何か重大な危機が起こるまで問題を先送りにする、というよりはむしろ、何か重大な問題が起こるまで動くに動けない、のだと。