全力の「仁義無き2get争い」

ツールとかそういうレベルじゃない本気な人びと。


ウォール・ストリート、暴走するアルゴリズム(1/5)|WIRED.jp2345
へーという感じです。へー。いやむしろすごい。あんまり普段縁のない分野で関連書もあまり読まないのでぼんやりとしかわからない世界ではあるんですけど、現在ってここまできちゃっているんだなぁと。
究極的にランダムウォークする株価に対してその長期的予測を見通すのではなくて、より早くより多数の「最初の兆候」を捉える事のみに注力する。どっかで見たような、そんな2get競争の果てにあるもの。確かにそれは無限の未来予測と同じくらい価値があるわけでもあるんですよね。1秒でも早く、0.1秒でも早く、0.01秒でも早く相手より先に株価の動く兆候を捉える。それはやっぱり1秒先を読み10秒先を読み100秒先を読むのと同じくらい価値があると。両者を較べたらそりゃ前者のアプローチの方が手っ取り早いですよね。
そしてそれは理論的にはデータが移動する光速の壁まで追求することができる。今はまだ『フラッシュトレード』で1秒間に数千数万という単位だけれど、しかしいつか数百万とか数十億とかまで進化を続けるんでしょう。いつかナノセカンドとかピコセカンドのオーダーでそれを争うことになる。確かにそこに人間の出番なんてない。


で、そんな「より早くより大量に」を目指した先にあるものが、一旦失敗した時のリスクの大きさでもあると。そりゃそうですよね。人間がそのミスに気付くわずか数秒の間に積み上げられるものは、彼らがそれまで努力した分と同じ勢いで負の遺産も積みあがってしまうわけだから。
でもだからといってその効率性を捨てる事なんて今更出来ない。幾ら規則などで縛った所で、しかし現実にある「より早く動いた方が勝つ」という事実自体を変えることはできないんだから。