チキンゲームに負けたアメリカ

肝心の「やる気」が見つからないお話。


20世紀の宇宙競争はロシアの勝利で幕 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
冷戦構造の終焉とはまさかの逆の結末。その膨大な資金投入というチキンゲームな開発競争に負けたのは最終的にアメリカだったと。

宇宙開発競争は、最盛期の60年代は「まさに核開発の代理戦争だった」と、宇宙開発に詳しいサイエンスライターのピアーズ・ビゾニーは言う。「米ソは平和の名を借りた破壊技術の潜在能力を競い合った」

しかし大半のアメリカ人にとって、69年にアームストロング船長が月面に降り立った瞬間、ソ連との宇宙開発競争は勝利で幕を閉じた。「ロシアに比べて、21世紀に入ると関心も薄れた」と、ビゾニーは言う。

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まぁそういうもんなんだろうなぁとは思いますよね。あの月着陸の時代でさえ、やっぱりその目的は同時にかなりの部分まで「選挙対策」でもあったわけで。当時のお話について読むと、やっぱりそれを選挙対策に援用しようとあれこれ努力していたアメリカの大統領をはじめとする政治家たちのお話もよく聞きますし。ケネディさんとか。当時はそんな「国威発揚」も通用していたんだろうけど、しかし冷戦も終焉すると、最早こうした宇宙開発競争はほとんど真逆の意味を付与されるようになってしまった。
つまり「税金の無駄遣い」であると。
ある種のガマン大会はそんな選挙民の声を無視し続けられたロシアの勝利に終わってしまったわけです。よく言われる軍拡競争によって疲弊し敗れたソ連、とは全く逆の構図ですよね。その点ではアメリカの敗北はほとんど必然ではあったんでしょう。月着陸を実現してしまった故に、最終的には(あるいは現時点において)敗北した。なんというか皮肉なお話ではあります。


その意味ではおそらく『宇宙開発』とやらに商業的価値が付与されるまでは、こうした状況は続くんだろうと思います。現時点では民間宇宙飛行も一部の金持ちな好事家のお遊びの一貫位にしか思われていないだろうし。そんな商業的価値が生まれる時なんて僕が生きている間に来るのかと言うとかなり怪しいんですけど。悲しい話です。あるいは某宗教的な聖地巡礼のように、人生において一度は行くべき場所、なんて風に意味づけられない限りなさそうな話ではあります。
もういっそのこと萌えアニメでも作って人工的な『聖地』にでもしちゃえばいいんじゃないかな。アポロ擬人化。13号は一見天然だけど実は、なキャラ設定が付与されると思います。