『延命治療』はやっぱり延命でしかなかったオチ

あんなに支援してきたけれども、やっぱり延命治療は延命治療でしかなく、奇跡は起こらなかったお話。そんなものは起こらないからこそ奇跡と呼ばれているのでした。


ということで9月11日は十周年でしたけど、本日9月15日は三周年なわけです。そんなリーマンショックさえなければまだ目をつぶっていられたかもしれない欧州さんちの経済危機。なんだかんだ言いながらも、どうにか三年延命することに成功したわけです。おめでとうおめでとう。
で、まる3年経った現在がこう。
ユーロ一時104円90銭、ギリシャ債務危機で10年ぶり安値 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
ギリシャ国債のデフォルト確率98%、保証コストが記録更新−CMA - Bloomberg.co.jp
ギリシャ、10月に資金が底をつく見込み=財務次官| Reuters
いやぁここまでぶっちゃけられるといっそ清々しいですよね。「10月中は間違いなくやりくりできる」それって10月以降どうなっちゃうの、どうなっちゃうのよー?
こうしたギリシャさんを見ていると思い出すのが「金は借りている方が強い」という格言でもあります。ギリシャに対してはもう誰もが我慢の限界を迎えつつあるのだけれども、しかしその怒りを爆発させるわけにもいかない。それをやってしまっては何もかもご破算になってしまうから。金を借りている方もそれを解っているからこそ強い態度に出ることができる。


さて置き、ここまでうちの日記で定期的に「ユーロさんちの愉快な仲間たち」を日記にしてきたのは別に個人的なポジションがどうとかというわけでは勿論なくて、単に『欧州連合』という人類の壮大な実験の行く末が今のこうした経済危機に掛かっててとっても愉快――間違えました興味深いというだけでしかございません。
そんなうちの日記の恒例ネタも、そろそろ終焉なのかなぁと暖かい気持ちに少しなります。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/22503
そしてやっぱりその最後の鍵は国家統一以来ずっとヨーロッパの最強国であり続けたドイツが握ることになると。しかしそうはいっても以前の日記もう後には引けない人びと - maukitiの日記でも書いたように、今更ドイツが率先してその手を離すと言うことは多分ないでしょう。まぁユーロに悲観的な人からすれば「それは『コンコルド効果*1』に陥っている」なんて言う人もいるでしょうけど。
よく1929年と比較して、その原因を「現在の政治家たちの意欲が欠けているからだ」なんてことが言われたりしますけど、でもそれも仕方のないことだとも思うんですよね。だってかつての時代よりもずっと有権者たちが物を言う時代になっているのだから。メルケルさんの苦境が証明しているように何をやっても結局、政権の支持率は下がってしまうわけで。そんな状況で決断するなんて、少なくとも日本から見ると、到底無理な注文じゃないかと。



欧州債務危機:ギリシャは「大型デフォルト」すべきだ−ブレヘル氏 - Bloomberg.co.jp
しかしなんというか、何度も繰り返されてきたことではありますけど、こうは思わずにはいられませんよね。
「どうせこんなこと(デフォルト)になるなら、はじめからやっておけば良かったのに」


追記08:00

独仏がギリシャに目標達成要請、ユーロ圏離脱回避の決意表明| Reuters
この日記書いた1時間後には既にもうオチがついてました。デフォルトを容認する事はないと。
まぁそういうことなんでしょうね。ブクマでも言及していただいた様に、やっぱり第二次世界大戦以降ヨーロッパは『欧州連合』の実現にヨーロッパは手持ちの札その殆ど全てを掛けてきたわけだから。その埋没費用を諦めるなんてできるわけがない。

*1:ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をしつづけることが損失につながるとわかっているにもかかわらず、それまでの投資を惜しみ、投資をやめられない状態。コンコルド効果 - Wikipedia