すべてがイラクになる日

昨日のイラク繋がりで思い出したお話。


サッカー試合で暴動、74人死亡 1000人負傷か エジプト 写真11枚 国際ニュース:AFPBB News
カイロでデモ隊と警官隊が衝突、負傷者多数 サポーターの姿も 写真6枚 国際ニュース:AFPBB News
何かものすごく盛り上がりすぎて大変なことになっていたエジプトさんちのサッカーのお話。で、真偽はともかくとしても、それが陰謀論的に政敵の介入・不介入が招いた結果だと囁かれこうして大規模なデモにまでなってしまうと。まぁ内戦の数歩手前にある国ではよくあるお話ではありますよね。それはまぁエジプトだけのお話では当然なくて、お隣のリビア*1でも、そして現在進行形で内戦突入しかけているシリア*2やイエメン*3でもそうなっているのでした。むしろチュニジアのように無事に切り抜けられているほうが珍しいかもしれません。まぁそのチュニジアさんちでさえ収まりつつあったのが見事に、お隣のリビアの治安悪化の悪影響を受けてしまっているわけですけど。


こうした構図を見ていると、フセインさんを排除した結果見事に内戦状態にまで陥りかけたイラクを思い出してしまいます。
あの時は、フセイン後としての象徴である『脱バース化政策』が見事に裏目に出た結果「アメリカの失敗のせいでイラクが分裂しかけている」なんて言われてたりしましたけど、まぁこうして蓋を開けてみれば別にアメリカが成功しようがしまいが結局のところ、そうした国々では分裂や内戦の危機という所までいってしまうんだなぁと。だからといって何の慰めにもなりませんけど。世界中の何処にでもある『独裁者以後』の国家運営の問題について。


ともあれ、あのアメリカによる半ば押し付けによって民主化されたイラクと、こうして国民自らの手で民主化を成し遂げた国家たちが結果として似たようなオチに陥っているのはまぁなんというか生暖かい気持ちになってしまいますよね。イラクの時は、文字通り「アメリカの無能のせいでこうなった」なんて批判されていましたけど、じゃあ今の彼らの現状は一体誰の無能のせいでこうなってしまったのか。その意味で実は、アメリカのせいだ、なんて言うことができたたイラクは相対的に見て幸せだったのかなぁと。少なくともその一点においてまとまる事はできていたわけだから。