私たちが夢見た二大政党制は始まらなかった

お話的には某フランケンシュタインの怪物っぽいですよね。『理想の人間』ならぬ『理想の政党』なんてモノを求めてしまった私たち。


民主党分裂、小沢元代表ら50人が離党届 2人撤回 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
ということで小沢さん一派が離党したそうで。ていうかこの期に及んでも『派閥』ではなくかたくなに『グループ』と呼ぶマスコミの気概には感心してしまいますよね。50人が一緒になって離脱しても尚やっぱり小沢グループ。まぁもう今更後には引けないんでしょうけど。
結局50人らしいです。不信任決議も出せない微妙な数字になってしまいました。もういっそのことあと2人減らして48人にして某グループにあやかれば良かったのに。「OZW48」的な。そして「オザワのことは嫌いになっても新党のことは嫌いにならないでください」とか言えばいいんじゃないかな。

【7月2日 AFP】(一部更新)民主党小沢一郎(Ichiro Ozawa)元代表ら50人は2日、党執行部に離党届を提出した。

 離党届を提出したのは衆議院から38人、参議院から12人で、大半が消費増税法案の衆院採決で反対票を投じた議員。当初、小沢グループ山岡賢次Kenji Yamaoka)前国家公安委員長は記者団に離党は52人と述べていたが、うち衆院議員2人が離党を撤回した。

 6月26日の衆院での採決では、民主党議員57人が反対票を投じていた。(c)AFP

民主党分裂、小沢元代表ら50人が離党届 2人撤回 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

ともあれ、まぁやっぱり二大政党制なんて無理だったんだなぁと思わずにはいられません。始まりさえしなかった日本の二大政党制。
以前の日記『(民主党の)老人と海』 - maukitiの日記でも少し触れましたけど、進めば進むほどに段々と仲間が減っていく彼ら。社民党国民新党新党きづなに小沢さん、そして最後には骨だけになってしまうと。いやぁ悲しいお話ですよね。
1993年の細川政権時の選挙改革――小選挙区という試みは、現在に至りこうした結末へと帰結した。
まぁそれを望んでしまった気持ちは解らなくはないんです。延々と自民党支配が続いたからこそ、私たちは解りやすく政権交代が起きる二大政党制なんかに素朴な憧憬を抱いてしまった。その受け皿となる政党をひたすらに求めるようになってしまった。かくして二大政党のもう一翼を担うべき『理想の政党』として、その能力故にではなくて天命として期待された民主党
しかしそんな歪んだ思いから生まれた怪物は、やっぱり最後には当人さえも歪な存在となってしまい、ついには生みの親である人びとに牙を向くのでした。あぁなんというフランケンシュタインの怪物の悲哀。それを生み出してしまった私たちが悪いかったのか、それとも怪物が悪かったのか。


今回の小沢さんの離党が象徴するものってつまりそういうことなのかなぁと思います。私たち日本人が素朴に夢見た二大政党制はやっぱり夢でしかなかったのだと。