ケベック「オオカミがきたぞー!」

発言力を失ってしまった人たちの末路。


カナダ人の半数、ケベック州が独立しても「別に…」 世論調査 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
ということで有名なカナダ・ケベック州の独立を巡る議論が、現在ではこんなことになってしまっているそうで。好きでも嫌いでもなくただただ無関心なだけ。いやぁ時代は変わるものだなぁと。

【7月1日 AFP】カナダ人の半数は、フランス語住民の多いケベック(Quebec)州がカナダから分離独立しようがしまいが「さして気にならない」と考えているとの世論調査が6月29日、今年の州議会選挙を前に発表された。

 世論調査会社イプソス・リード(Ipsos Reid)による2回の調査では、ケベック州以外に暮らすカナダ人の49%が「ケベック州がカナダから分離独立してもあまり気にならない」と回答し、独立したとしても「たいした問題ではない」と回答した。

カナダ人の半数、ケベック州が独立しても「別に…」 世論調査 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

それは別に議論が落ち着いたとかそういうお話ではなくて、ごく自然の成り行きとして彼らの存在感が低下してしまったから、という悲しいお話であります。
まぁ分離独立を謳うにしても、何らかのパワーがやっぱり必要なのは良くわかるお話ですよね。それは経済力だったり、人口だったり、あるいは地政学的な安全保障だったり。そうしたものがあってはじめて、彼らの発言に人々を右往左往させることが出来るわけで。そうした後ろ盾がなければ何を言っても相手にされなくなってしまう。


かつての(独立運動の成果の一つでもある)経済力の低下からようやく持ち直したと思ったら、今度は世界的な資源高の影響によってやっぱりケベックの地位は低下してしまった。かくして人びとはその存在を意識することもなくなっていく。「オオカミがきたぞ!」と叫んでも鼻で笑われてしまう。もはや相手にされなくなり、話しさえ聞いてもらえなくなってしまった人たち。
そしてこうした構図の行き着く先は「ベルギーは国ではない。道路だ」というオチになってしまうと。
やっぱり人口にしろ経済力にしろ、そうしたパワーがあってこそはじめて発言力は確保されるのだなぁと生暖かい気持ちになってしまいますよね。このお話の身も蓋もない教訓はそうした所にあるのかなぁと。