自称『働き者』たちの饗宴

「思い立ったら即実行!」な人びと。


朝日新聞デジタル:田中文科相「心からおわび」 3大学認可騒動で謝罪 - 政治
【田中文科相不認可騒動】田中文科相「心からおわび」も改革の必要性強調 政治責任は「国会審議で」 - MSN産経ニュース
ということで謝罪オチ。
大学学部の乱立や法の支配がどうたらこうたらありましたけども、こうして見るとここ数年来何度も繰り返されてきた「典型的な民主党政権の失態のパターン」そのものだったなぁと。何の勝算もなしに適当な方向へ突っ走った挙句に現実政治のカベに激突する人たち。自爆といっては身も蓋もありませんが、毎度毎度何でこの人たち学習しないんだろうか感がすごい。
その目的・理念自体は、好意的に見れば賛成する人も少なくないし、控えめに言っても「是非の余地はある」ものの、しかし実行の段になると途端に馬脚をあらわしてしまう人たち。今回も結局いつか見たような顛末そのものでしかなかった。「大学の乱立をどうにかしよう」という意気込み自体は理解できます。ところがそれをどうしようもなくバカみたいな手段に訴えてしまう。
(その意図はともかくとして)悲しくなるほどに無能な働き者たち。


それこそマキャベリさんばりに「結果が良ければすべてよし」と結果主義でそのやり方を正当化する一方で、しかしそれが失敗に終わると今度はカントさんばりに「善意からの行動だったの許して欲しい」なんて開き直ってみせる構図について。やっぱり見慣れた風景ではありますよね。
――えー、まぁなんというか、他人事だったら笑っていられたのになぁとしみじみ思ってしまいます。
ともあれ、しかし彼らがそうした『働き者』ポジションを目指そうとすること自体はやはり理解できるんですよね。だってそれが彼らの政権の存在意義なのだから。『無能な怠け者』だった自民党へのアンチテーゼ。前政権までのような現状維持しか考えていないセイジカには絶対なりなたくなーい、という気持ち。そんなジレンマがこれまでの政権運営で発揮されているのを見ると、まぁなんというかやはり生暖かい気持ちになってしまいます。
かくして『無能な怠け者』時代よりも、その善意溢れる『無能な働き者』たちはよりロクでもない事態を引き起こしてしまったという悲しいお話。
いやぁ今ならゼークト先生の仰った組織論*1について、文字通り実感として大変よく解ってしまいますよね。こんなことわかりたくなかった。


http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36470
そういえばエコノミストさんは、今回のアメリカ大統領選挙を二人の悪魔――「未知の悪魔」と「知っている悪魔」ならば後者の方がマシだと皮肉っていましたけども、私たち日本でも近々まったく同じような構図に陥りそうですよね。「lesser of two evils」的な達観が必要とされる選挙について。……ものすごく苦手そうです。
がんばれ日本の有権者たち。