これが俺の(新しい)ジョーカーだ!

むかし某薔薇トゲの人も言ってましたよね「切り札は最後まで見せるな。見せるならさらに奥の手を」なんて。


寧辺の全ての核施設再稼働を宣言、北朝鮮 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
韓国国防相、開城工業団地への通行禁止で「非常事態計画」に言及 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News
焦点:挑発エスカレートの北朝鮮、金正恩氏は「父より危険」か| Reuters
ということで次々と無慈悲なカードを切りまくっている北朝鮮さんちであります。先週辺りまでは「どうせ裏で開城工業団地動いているしwww」とかやってたはずが見事にそこにも言及し、そしてついには核施設再稼動ですって。それって切り札じゃなかったのかなぁと。
一般に『切り札』を切ってしまうと、後はもう手元に選択肢が残らないわけで。だからこそ切り札は簡単に切ってはいけないのです。その後に待っているのは「足元を見られる」ことでしかないから。
昔の日記の日記でも書きましたけど、交渉における基本的な概念である「BATNA」(Best Alternative To a Negotiated Agreement)――「最善の代替的選択肢」なお話。それをちらつかせることが北朝鮮さんちの生存戦略だったはずなのに。


――でもまぁよく考えてみたら、北朝鮮さんちは一連のミサイルと核の両実験によって、既に新しい『切り札』を手に入れているんですよね。それまでずっとあった核兵器とその投射手段を現実のものとしている。
そしてだからこそ、挑発をエスカレートさせているというよりは、かつて使っていた古い『切り札』をバーゲンセールのように切りまくっている。だってもう新しいジョーカーは手に入れているから。


その意味では、ここ数週間続く一連の北朝鮮さんちのはっちゃけっぷりは、毎年恒例だった米韓軍事演習が発端というよりはむしろ、あの12月の人工衛星打ち上げ及び2月の核実験の続きであるのだろうなぁと。
少なくとも彼ら自身は――その技術力の真偽はともかくとして――それが新たな『交渉の切り札』たると考えている。



手に入れて即使ってしまう辺り、なんというか追い詰められているのかなぁとも思ったりしてしまいますよね。よっぽど嬉しかったんだろうなぁと。まぁ問題なのは、現状の終結局面を彼らが一体何処に見ているのか、その辺のことについてまったく先が見えない点にあるのでしょうけど。
果たして彼らは一体どこを見据えているのか?
体制護持なのか、援助の引き出しか、核保有国としての認定なのか。ただまぁ最後のは米国どころか中国さえも容認しない事態ではあるので、今後もめんどくさいことになりそうであります。


がんばれ周辺国。