今も昔もウクライナの「ロシア離れ」を担保するもの

彼らはいつだって「独立を運んできてくれる」西からの白馬の騎士を待っている。来てくれなければ以下略。


前にも後ろにも進めず時間切れすら期待できないウクライナ - maukitiの日記
昨日の日記の続きで本題なお話。そんな前にも後ろにも時間切れすら期待できないウクライナさんちの苦境というのは、それこそ今に始まったことですらないんですよね。もうその圧倒的国力差はウクライナ自身の努力でなんとななるレベルじゃない。だからいつだってその解決のためには、それ以外の何か、が必要なわけで。


そもそも、単純に政治問題というよりも言語や宗教などの文化的面からも「我々とロシアを一緒にするな」というウクライナさんの『ロシア離れ』という目的は、それこそウクライナという国家意識の目覚めからある永遠の悲願であるわけですよね。
――故に悲願というだけあって、彼らは何度もそれを志向しては、ロシアの方からぶっ潰されてきた。
第一次大戦中の帝政ロシア崩壊の時も、第二次大戦中及び戦後の混乱の時も、彼らは『ロシア離れ』を狙って悪戦苦闘したわけだけどもどう考えてもその圧倒的なパワーの前に彼らは常に敗れてきたわけであります。というかどう見ても二回とも負け組のドイツにその白馬の騎士の役割を求めてしまったことが敗因だったりもするんですけど。
こうした状況をようやく打破できたのが1990年のソ連崩壊絡みの時だったわけで。あの時も前二回と同様ロシアの混乱に乗じたモノだったわけですけども、しかし冷戦後時代になって、ついに、ようやく、ウクライナは念願の「頼りになる味方」を手に入れたのであります。冷戦という戦いの中で見事に東側陣営を干上がらせた、西側陣営たるアメリカとヨーロッパという援軍を。
国連安保理ウクライナ領土保全決議や、CSCEの加盟によって彼らはようやく『ロシア離れ』を実現できるだけの援軍を手に入れることができた。


結局のところ、まぁ現在のウクライナの綱引きってこういう構図に回帰する以外にないんですよね。ウクライナの意志はこれまでの歴史がそうであったように、ロシアが諦めるか、あるいはその援軍に立ってくれる勢力が表に立ってくれない限り、ウクライナの彼らにはそもそも選択の余地などない。そしてウクライナとは『ロシアの心臓』である故に諦めることはない。
――さて翻って現在のウクライナ危機において、白馬の騎士たる彼らは何をしてくれているのかというと……、
EU外相理事会、対ロシア制裁の対象者拡大で合意 - WSJ.com
EUが対ロ追加制裁も辞さず、ウクライナ東部情勢受け| Reuters
ウクライナ問題で米ロ首脳が電話会談、米大統領がロシアの対応を批判| Reuters
国連総長が懸念表明 ウクライナ、対話訴え - MSN産経ニュース
だめそう。


まぁなんというか、ヨーロッパの西部戦線を思い出してしまいます。「ドイツが戦争の準備をしているとき、フランスは会議をしていた」的な風景ですよね。


「ロシアが武器や非正規兵士を送り込んでいるとき、彼らは会議をしていた」