再びイデオロギー色を強調する時代なのか?

ただ政治のサーカス化だろうとかそういうこと言わない。



CNN.co.jp : トランプ氏の支持率、30%突破 出馬時の3倍に
英労働党の反緊縮・反戦訴える新党首、英政界に再編呼び込むか - WSJ
ということで英米の野党候補選びが愉快なことになっているそうで。

 ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス政治学教授、トニー・トラバース氏は、「労働党だけでなく、英国の政治にとって特別な日だ」と話す。トラバース教授は、コービン氏躍進の背景について、有権者は従来の政治にいら立ちを感じ、緊縮財政を終わらせるとか、外国の戦争に参加しないなどのシンプルな答えを求めていたと語った。

英労働党の反緊縮・反戦訴える新党首、英政界に再編呼び込むか - WSJ

まぁもちろんバカなことをやっているなぁと笑っていればいいんですが、しかしそれでも、英米と言えば(世界的に社会主義勢力が衰退した)レーガンサッチャーや、(左派中道化による復活の象徴でもあった)クリントン&ブレアなど、近いタイミングで民主主義国家の「時代変化の象徴」とも呼べる政治家たちを生んだ国でもあるのであんまり無視することもよくないかなぁと。


ともあれ、まぁ二人ともかなり極端なことを言って支持を集めるスタイルでありますが、これってこれまで常識とされていた現代政治の手法としてはまぁ真逆なんですよね。まさにクリントンさんやブレアさんが確立したのが(左派政党とされた人たちの)『中道』を訴えての勝利スタイルでもあったわけで。
――それが現代民主主義政治における勝利の方程式と思われていた。
でも、今回のガチ左派なコービンさんの勝利や、あるいはトランプさんの想像以上の善戦(尚も支持率トップ)を見るとそうした勝利の方程式というのは時代遅れになりつつあるのかなぁと。リーマンショックに続く最近では中国経済減速なんかもありましたから、閉塞した空気の変化を求める声が生まれつつある、という後付け説明もできなくはない。


これまでは出来るだけ中道の意見を言うことで、中間層の得票を最大化させるのが最適戦略だった。ところが今では私たち有権者が、右も左も「どちらも同じようなことしか言わない候補者」に飽きた結果、できるだけ人とは違うことをハッキリと言うことが最適戦略になりつつある、のかもしれない。


保険制度改革など、今考えるとかなり突拍子もないことを言っていたオバマさんもこうした背景があったのかもしれないなぁと。現状ではかなり穏当で現実的な事しか言わないヒラリーさんがトランプさんと接戦になる可能性が高いと言われているのは、こうしたトリックスター支持な状況があるからだろうし。逆に既に閣僚経験など重ねたヒラリーさんはまぁすんごい無難な選択肢には見えていて、それが予想外に苦戦している理由の一つなのかなぁと。彼女の中道性は強みであると同時に弱みとなっている。
レッシグ教授、米大統領選に正式に出馬表明 100万ドルのクラウドファンディング達成 - ITmedia ニュース
個人的には同じ変人でもトランプさんを選ぶくらいなら、選挙制度改革一転突破なレッシグ教授を推しますけど。


誰もが同じことを言う中道化の時代から、ハッキリと物を言う政治的変人が支持を集める時代へ。
それはやはり良いか悪いかという問題ではなく、身も蓋もなく時代の有権者がそうした空気を望んでいるという意味でもあるのでしょう。


日本のセイケンコウタイを目指す人たちもその辺のことを意識すると良いのではないでしょうか。いやでも、本邦は既に宇宙人経験しちゃってるからなぁ。時代を先取りし過ぎた不幸。実際左側からの変人の可能性がああして死んでいる以上、次は右側からの変人がくる可能性の方が高い、というのは日本政治評論としては結構よくある意見でもあるわけだし。


みなさんはいかがお考えでしょうか?