きっと何者にもなれないお前たちに告げる

「シャーマンになるのだ!」


シャーマニズムという名の感染病――グローバル化が進むモンゴルで起きている異変から / 島村一平 / 文化人類学 | SYNODOS -シノドス-
面白いお話。まぁうちの国でも所謂イタコ芸って一部にカルト的人気ありますしね。以下概ねタイトルでオチてる日記。

こうしたプライドのことをモンゴル語で「ネル・トゥル」という。直訳すると「名前のポリティクス」という意味となる。まさに彼らは自らの「名誉」をかけてしのぎを削っているわけである。しかし、かれらのプライドの欲望が完全に満たされることは決してない。財産や社会的地位にのみプライドを見出す限りにおいては、際限なく「上には上がいる」からである。

シャーマニズムという名の感染病――グローバル化が進むモンゴルで起きている異変から / 島村一平 / 文化人類学 | SYNODOS -シノドス-

基本的な構図としては、社会システムによくある「魔女狩り」テンプレかなぁと思ったらちょっと違ってて面白い。不幸を除去する為にと、他者犠牲を要求する「魔女狩り」と違って、シャーマンが苦悩からの解放だとシャーマンを増やすんですって。
――シャーマンが言うから仕方ない、なんて。
その意味では、モラトリアムの一形態ではあるのかねぇと。競争に疲れ果てたものの、しかし自らを「自由」に選択できない人たち。そうした人たちが、しかし周囲から受ける伝統的価値観の要求圧力から逃げる為の冴えたやり方ではあるのかもしれない。


伝統的価値観が確固たる支配力を持つ社会から、個人主義的な先進社会への過渡期・メルクマールなお話かなぁと。もちろん個人の間に自由な競争があることは素晴らしいことではあるものの、しかしそれに打ち込める人が全てかというとやっぱりそんなことないわけで。
はやく「ナンバーワンよりオンリーワンがいい」ことが許される社会になるといいね。まぁそれはそれで結構地獄なのは我が国を見るとよく解るのでアレなんですけども。


がんばれモンゴル。