戦わなくても生き残れる……のか?

戦わずに逃げればいい派のみなさんの実践の機会が三度。


イスラエル、「陸海空からの」ガザ攻撃を準備 病院への避難命令は「死刑宣告」とWHO - BBCニュース
イスラエル軍、ガザ住民に2つの避難経路示す ガザの死傷者1万人超える - BBCニュース
先日の通常日記でも言及したように、ウクライナのイベントに続いて――いや、ウクライナ中だからこそ戦後ジャパンのユニークな平和主義に再び一石を投じるイベントが起きてしまった感あるよねえ。

イスラエルによるガザ地区への地上攻撃が近いとされる中、同国のベンヤミン・ネタニヤフ首相は14日、前線の兵士たちに対し、「次の段階が近づいている」と伝えた。

イスラエル軍は、ガザ地区の北部に住む約110万人に南部へ避難するよう勧告。数千人が車や徒歩で移動している。

イスラエル、「陸海空からの」ガザ攻撃を準備 病院への避難命令は「死刑宣告」とWHO - BBCニュース

限りなく両者を単純化させてしまえば、つまるところウクライナが「侵略に抵抗」するパターンであり、今回のパレスチナは「侵略に抵抗しない(できない)」パターンというその両方がそのまんま同時進行で発生してしまっている。
……一体どちらが正解なのだろうか?
身も蓋もなくマジレスするとそんなの時と場合によるとしか言えないんですけども、しかしウクライナ戦争の初期に本邦でも恥ずかしくも叫ばれていた「戦うずにさっさと降伏した方がいい」というユニーク過ぎる意見は、まぁ今回のパレスチナにも当てはめるのは殆ど無理筋でしょう。

ウクライナでも言っていたそれを今回のパレスチナでも主張しているのであれば、ある種一貫性があって誠実ではあるよね。実際にパレスチナ問題だって、まさしくその言葉通りに、最初の1948年にイスラエル占領地からパレスチナ難民が全員逃げ出せば=暴力で追い出せばそもそも今の問題は無かったのだから。実際にドイツや日本において戦前戦中の国外占領地で起きたように。
だからといって、現状の空爆、そしてこれから始まるであろう地上戦のイスラエルの無慈悲すぎるやり方を考えたらとてもそんなこと言えませんけど。
だからといって、ロシアの残虐なやり方を見ていた上でウクライナにあんなことを言っていたのはとても擁護できませんけど。


ともあれ、このパレスチナ問題についてもっと前向きで生産性のある未来の話をするならば、この典型的といえばあまりにも典型的な領土問題と復讐の連鎖をどうすれば癒すことができるだろうか、という議論であるべきなのでしょう。
アングル:険しさ増す中東和平、歴史的なオスロ合意から30年 | ロイター
その一つが1993年の『オスロ合意』であったはずなのですが、上記ロイターの先月の記事にあるようにまぁ今回の件が起きる前から事実上終了扱いだったわけで。
そして皮肉にもその30年の節目において、最近では例を見ない規模での暴力の応酬が始まろうとしている。


個人的に、昨今のウクライナやナゴルノカラバフや今回のパレスチナなど昨今の領土をめぐる問題を見ているとどうしても悲観的な観方が思い浮かんでしまうのは、結局のところやはり我々はクリティカルな領土問題はアレでしか解決できないのではないか、という点なんですよね。
アレって何かと言われると、そりゃ今私たちの前で繰り広げられているアレですよ。やり返す気が無くなるほどアレで叩き潰せばいい。ウクライナアルメニアのように。
21世紀の今だからこそ領土問題が流行る理由 - maukitiの日記
それこそ私たち日本人も例外ではない、些末な(もちろんその土地に利害関係を持つミクロな当事者にとってはそうではありませんけど)領土問題であれば、私たちはなんとなく問題があるフリをしながらも失地回復運動というある種の茶番を続けることができている。それを人類の叡智や平和だということ自体は、それほど間違っていないとも思うんですよね。素晴らしき人間の進歩であります。歴史はやっぱり終わってるんや!
しかし、それがより重要で、茶番でお茶を濁し続けることが難しい問題だったら……。
あるいはクリミアやナゴルノカラバフで証明されたように、国際社会に「領土問題は物理で解決できる!」という機運が生まれてしまったら……。


茶番を続けられないほど重要な領土問題の解決方法について。アレ以外にあるのだろうか?
みなさんはいかがお考えでしょうか?