僕もその一人でした。オバマさん誤解していてほんとうにごめんなさい。外交的に無能だろうと。
WSJ/NBC Poll Finds Obama’s Biggest Success: Killing Bin Laden - Washington Wire - WSJ
そんなこんなで今年の11月にはアメリカ大統領選挙なわけです。そこで大統領再選が掛かるオバマさんのこれまで一期目三年間の成果を振り返ってみました的な世論調査がWSJとNBCで行われていました。で、その結果が愉快なことになってたらしいので少しだけ。
以下オバマさんの大統領任期中の最大の成果について上位6位。
1. Killing bin Laden, 27%（ビンラディンの殺害）
2. Bringing all the troops home from Iraq, 25%（イラクからアメリカ軍の撤退）
3. Preventing another economic depression, 11%（更なる経済危機の抑止）
4. Passing the health care law, 11%（医療保険改革）
5. Improving America’s image abroad, 8%（アメリカのイメージ改善）
6. Saving the auto industry, 7%（自動車産業の保護）
WSJ/NBC Poll Finds Obama’s Biggest Success: Killing Bin Laden - Washington Wire - WSJ
上位六位の内、一位・二位・五位の三つが対外政策に関わることで、なんというかびっくりですよね。それこそマケインさんと争っていたオバマ『候補者』の頃からはまったく想定できない事態でした。あれから三年経ってまさかこんなことになっているなんてものすごく意外な結果だなぁと。オバマさんの一期目の最大の成果が『ビンラディンの殺害』だなんて。
特に上位の二つ、「ビンラディンの暗殺」と「イラクからの撤退」は、まぁ確かにそれはマイケンさんのような詳しい人だったら不可能だった結末であるかもしれないとは言えるかもしれません。外交安保的に素人だからこそ、こうした成果が実現されたのだと。マケインさんが裁判無しにあっさり暗殺したり、あるいは半ば何もかも放り出す形でイラク撤退を実現する、というようなことができたかというとそれも怪しいでしょうし。実際にそれが外交的・軍事的に正しいかどうかは別として、しかしそれでも多くのアメリカ国民がそれを望んだ以上正しい選択だったのだと。オバマさんはその意味で『アメリカの国益』に叶うことを見事成し遂げたと言えるのでしょう。
まぁやっぱりあれだけ就任時には色々とチェンジ――グリーン･ニューディールや医療保険改革や核なき世界などなど――を叫んでおきながら蓋を開けてみればこのザマだからこそ、彼の歴代トップクラスの支持率落下（就任当初の70％から現在の40％まで）に繋がっているとも言えてしまうんですけど。
「外に目を向けさせることで国内の不満を逸らせる」というそれこそ中国やら北朝鮮にまで通じる伝統的手法、について。そんなオバマ政権一期目を救った外交上の成果。
しかし、もしそうした外交安保の成果がなければ一体どんなことになっていたんでしょうね？
その意味ではやっぱりビンラディンさん殺害当初から言われていた『選挙対策だ』というのは、全てではないにしろ、ある面までは正解ではあったのでしょう。ついでにイラク撤退も。
ちなみに反対に最大の失敗上位六位は、
1. Unable to improve economic conditions, 24%（経済立て直しの失敗）
2. Increasing government spending, 18%（政府支出の増加）
3. Not providing strong leadership, 16%（リーダーシップが発揮できていない）
4. Passing the health care law, 13%（医療保険改革）
5. Keeping American troops in Afghanistan, 12%（アフガニスタスタンから撤退できなかった）
6. Placing too much regulation on business, 7%（ビジネスへの過度な規制）
WSJ/NBC Poll Finds Obama’s Biggest Success: Killing Bin Laden - Washington Wire - WSJ
どう見ても経済不況で選択の余地なく苦しむ指導者という感じで、総体としてはまぁ同情できなくもない悲しいお話ではあるのかなぁと。
ともあれ、もしオバマさんがこのまま再選したとして、更に二期目の常である『偉大な大統領』を目指すとして、こうした結果を受けてオバマさんはどんな分野においてそれを目指すんでしょうね？
