そして自民党が笑う

本日分が出遅れたので、埋めついでにあまりやらない独断と偏見による適当な国内政情日記。



自民圧勝の選挙予測が示す「脱原発」という白日夢の終わり | 池田信夫 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
まぁタイミングが遅かったからだ、という言い方もできるかもしれませんが、勝敗はともかく結果として脱原発は重要な『争点』になりそうにない、という辺りが正しい現状認識なのかなぁと思います。実際、地味に衝撃的だった例の6日の各紙情勢調査でも、見事に上位三党「以下」に脱原発政党な皆様が並んでいて、勝負所を間違えてしまった人たちの悲しい結末が示唆されてしまっていました。


以前からずっと指摘されていることではありますが、現代民主主義政治ってもう単純な左右によるイデオロギーの対決って衰退してしまっているんですよね。だからこそ、そうした場所に回帰しようと努力している米国共和党なんかが時代遅れの政党だと言われていたりするわけで。つまり、ほとんどどこの国でも現代の選挙戦略で重要なのは――それが正しいかどうかはともかくとして――一体どこに『単一争点』として置いてそこを一点突破するかどうかに掛かっているわけです。だから別に「脱原発!」「反増税!」「反TPP!」という風にやること自体はそこまで間違った戦略ではないのです。
ところが主戦場として想定していた「脱原発」というのは見事に読み間違っていそうだと。いやぁ悲しいお話であります。
――それと同時に個人的にはただでさえ少なかった「脱原発」というパイを多数の党で分け合ってしまった故に生まれた悲劇、という感じではあります。みんなで一緒にそこへ突撃するものだから更に分散してしまっている構図。ここまで集中しなければそれなりに票を集められたかもしれないのに。皮肉なことに、それを煽りすぎたせいで埋没してしまった人たち。
なのでさっさと一抜けしてみせた橋下さんはそれなりに鋭い政治センスをお持ちなのかもしれませんよね。その代わりに何故か官僚主義打破とかよく解らない方向に向かってしまっているんですけど。


http://special.jimin.jp/political_promise/
かくして、争うべき争点として『経済再生』を一番最初に上げた自民党が最も時勢を読めていた、というごく普通のオチ。多分に結果論ではありますが、むしろ普段のニュースでもあれだけ散々「日本経済はデフレ・円高からの脱却が必要だ!」と言っていたのに何で自民党だけしかそこを言わなかったんだよ、という気持ちに。ちなみに経済再生を最優先に上げているのは新党改革さん*1なんかも同様なんですけども、泡沫過ぎて……。悲しすぎるスケールメリット自民党がイヤな人は是非そちらにするといいんじゃないかな。
もちろんそんな自民党も下の方には国防軍だのなんだのとアレな部分はありますが、やっぱり比較対象となるのは上から順なのでしょうし。そうなると一人違うことを言ってみせた自民党に――その手法の是非が議論されるまでもなく――更に票が集中することに。
しかしまぁ自民党の「経済再生」「教育再生」「外交再生」「社会保障再生」というテーマを見ると、かなり先日の米国民主党オバマさんのそれにそっくりですよね。前回とは違って、今回見事にオバマ当選旋風(微風)に乗ったのは自民党だったというオチ。

 事故から20ヶ月たって有権者は成熟し、原発を認めて現実的なエネルギー政策で景気回復を求めるようになった。いまだに成熟できないのは、放射能の恐怖をあおれば票が取れると思い込んでいる政治家だけである。

自民圧勝の選挙予測が示す「脱原発」という白日夢の終わり | 池田信夫 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

ということで現状の結論としては「煽るべき恐怖を間違った」という辺りなのではないかと思います。
脱原発』を当てに乱立したものの、しかしその船はもう定員オーバーになりつつある。