東京の中心で「敵は本能寺にあり!」とさけぶ

見事な敵本主義な風景。


都議選、自公全員当選で圧勝 民主は大敗 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
【東京都議選】共産、議席倍増 「反自民」受け皿に自信 - MSN産経ニュース
ということで、大抵は参議院選の指針として語られる都議選が終わったそうで。結果としては自民党及び公明党の圧勝というオチ。まぁ概ね予想通りではありましたよね。

 共産党現有議席8から17と倍増し、躍進を果たした。都議選での議席増は16年ぶり。国政選挙でも最近は退潮傾向に歯止めをかけることができなかったが、久々の大勝に、幹部らは7月の参院選でも「反自民票」の受け皿となることに自信を示している。

 今回の都議選では、民主党など他の野党が、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)やエネルギー政策で与党との差別化に苦労する中、共産党は一貫して「反TPP」や「原発即時ゼロ」を強調し、政権の批判票を集めることに成功した。市田忠義書記局長は記者会見で「これまでのどの選挙と比べても、街頭演説で耳を傾けてくれる人が多かった」と振り返った。

【東京都議選】共産、議席倍増 「反自民」受け皿に自信 - MSN産経ニュース

そして民主党が、共産党以下のまさかの第四党となってしまったそうで。「ふぇぇ民主党なくなっちゃうよぉ」ネタがまさかの現実に。いや、こちらも別にまさかという程まさかでもありませんけど。


しかしまぁ今回の選挙で再び明らかになったのは、どう見ても戦うべき敵は自民党――というよりはむしろ民主党であったことですよね。いかにして民主党の死体を上手く蹴れるか=失敗した民主党との違いを強調できるか。。
それこそ民主党「以外」の野党のプレイヤーたちにとって、最も勝率が高いのは、その民主党が持っていた議席こそを奪うことにあるわけで。現状それなりに強力な自民公明と下手に勝負するよりも、そちらから奪う方がずっと楽な勝負を展開できる。いかにして民主党議席を奪うことができるか。その意味でも、違いを出すべきなのは自民党と比べてというよりは、むしろ「民主党との違い」なのだろうなぁと。


まぁやっぱり前回衆議院で大敗北して以来の既定路線ではあります。そして今回の都議選でもやっぱりそれは同じであり、おそらく次の参議院選挙でも構図としては同じなのでしょう。一人区はともかく、二人区以上でいかにして民主党蹴落とすことができるか。確かに正しい戦略ではありますよね。
未だに図体(議席)は大きいくせに、しかしまったく支持のなくなってしまった民主党。墜ちた巨人。死に体となった民主党は、最早現状維持さえおぼつかない。「自民党への批判票」という票を、風を、空気を、セイケンコウタイの夢を、文字通り詰め込めるだけ詰め込んで膨張していった民主党はついに破裂した。そして民主党はその穴をふさぐことにさえ見事に失敗している。
結局のところ、現状では与党対野党というよりはその後釜をめぐる争奪戦でしかないんですよね。
そして今回は低投票率という要素もあって、見事にその「後釜」の座を共産党が射止めることになった。次はもっと露骨になるんじゃないかなぁと思います。



いかにして「私たちは民主党とは違う!」ことを証明するか。もちろんそんなこと直接には言ったりせずに「自民党とは違う(そしてもちろん私たちは民主党とも違う)」と後者にある本音を隠しながら。
かくして彼らはこう叫ぶのです。
「敵は自民党にあり!」と。