自由を売って買う安全

それが幻想だろうとなんだろうと、買えるものなら買っておきたい。




希望を失った若者の心の隙間を埋める“宗教” テロを生む温床はどこに〜パリのテロ事件があらわにしたフランス社会の課題(後編):JBpress(日本ビジネスプレス)
デンマーク情報当局、銃撃犯の「過激化の恐れ」事前に把握 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
まぁ最近の日本でも人質事件を受けてのパスポート没収なんかで話題になったお話ではありますが難しいお話ですよね。もちろん本邦でもあったようにそれを批判するのは簡単なんですよ。事件より先に何か対応することができたんじゃないかとか。
――ただ、じゃあ「事前に」何かできるのかっていうと、その予防策はもう絶対に何かしらの自由を制限することとほぼイコールにしかならない。その否応のないトレードオフについて。フランスでもイギリスでも、そしてデンマークでも避けては通れないのでしょうね。実際欧州って、こうした過激派が危険だからもっと引き渡しなり監視――場合によっては拘束すべきだと、アメリカや中東諸国から前から要請されて断っていたりもしたんですよね。

 同国の国家警察情報局(PET)は、実行犯とされるパレスチナデンマーク人のオマル・フセインOmar El-Hussein)容疑者(22)について、同容疑者が別の暴力行為で有罪判決を受けて服役していた際に、「過激化の恐れがある」として昨年9月に刑務当局から報告を受けていたことを明らかにした。一方でPETは、「すでに死亡した22歳のこの実行犯が、当時襲撃を計画していると信じるに足る根拠」がなかったと釈明した。

 これを受けて、文化センターとシナゴーグユダヤ教の礼拝堂)への襲撃で2人が死亡し、通常は平穏なデンマークを震撼(しんかん)させた事件の発生を未然に防ぐために治安当局が十分な措置を講じていたのかどうか、疑問視する声が強まっている。

デンマーク情報当局、銃撃犯の「過激化の恐れ」事前に把握 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

 一方、各地でジハードネットワークの解体も次々と行なわれており、治安機関の強硬な姿勢も伺える6。

 こうしてフランスでは今、イスラム過激派との戦いやテロリズムとの戦争により、治安維持のために警備・監視体制が強化され、「自由」と「セキュリティー」のバランスを考えさせられることになっている。

希望を失った若者の心の隙間を埋める“宗教” テロを生む温床はどこに〜パリのテロ事件があらわにしたフランス社会の課題(後編):JBpress(日本ビジネスプレス)

しかし最早彼らはこれまでと同じポジションに立ち続けることはできないのだろうなぁと。
もちろんこうしたお話は別に今に始まったことではないでしょう。故にこれまではそれなりにそんな二律背反を上手く回避してきたのです。もしそのまま「偶に」であれば自由社会に生きる私たち――特にヨーロッパの人たちであれば、ここまでそれを悩む必要はなかったでしょう。
しかし今はそうではなくなってしまいつつある。
まさに民主種主義社会にある私たちだからこそ、こうしたイベントに「頻繁に」直面してしまうと、その自由を売り渡すことを真剣に考えるようになる。もちろん大事な『自由』は渡せない。でもその末節部分、前科者や危険人物の行動監視ならいいかもしれない、なんて。
いやぁおっそろしいお話ですよね。


みなさんはいかがお考えでしょうか?