平和ボケだった日本人もトランプ旋風のような夢を見るか?

私たち日本人も味わうことになった「我々の政治代表でもないやつから無責任にアレコレ言われたくなーい!」という素朴なきもち。



WHO「新型コロナウイルスはパンデミックといえる」 | NHKニュース
ということで、今尚微妙にエクスキューズされているものの、事実上のパンデミック宣言がなされてしまったそうで。

世界各地で感染が拡大する新型コロナウイルスについて、WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は、「新型コロナウイルスパンデミックと言える」と述べて世界的な大流行になっているとの認識を示したうえで、各国に対して対策の強化を訴えました。

WHO「新型コロナウイルスはパンデミックといえる」 | NHKニュース

うーん、まぁ、そうねえ。
もうすっかり悪評が定着してしまったテドロスさんの右往左往っぷりに反発する声は、やっぱりこの宣言を受け取った日本でも少なくないように見えるのは面白いよね。
少なくとも一昔前まではそれなりに国連信仰のあった本邦ですら、国際機関への信頼は失われつつある現在。
やっぱりトランプは時代の先端を行ってたんだなって。



それが真に事実であるかはともかくとして、「中国への忖度」あるいは「欧米にまで波及したからようやく」という風に見えてしまう構図は、まぁそれ以外のミクロな私たちからは多かれ少なかれ批判を受けてしまうのは間違いない。
でもまあテドロスさんが国際機関の長としてそう振る舞うのも当然でしょう。
そもそも国際機関というのは、そうした強力なプレイヤーである国たちからの推薦と支持を受けてこそ現在の地位にいるわけで。
結果として彼らの意見を無視できるわけがない。
そして何より彼らが明確にしなければいけないポジションは、ただ「一国」ではなく国際社会たる世界全体の平和と安寧を優先する必要があるし、そもそも悲しいことに彼らには決定的な強制力すらない。
まぁそれ自体は否定しようがありませんよね。



ところが彼らが幾ら正しくても、優先順位としては(当然の話ではあるものの)自分たちを優先してくれない姿を見て、少なくない人たちはやっぱり国際機関への幻滅を覚えるのは間違いないわけですよ。
まさに欧州連合におけるブリュッセルの決定をただ見守ることしかできない、EU加盟国の国民たちのように。
「なぜ我々が選挙で選んだわけでもない官僚が、私たちの生活にまで踏み込んでくるのだ!」
その感情的な怒りは、まぁある意味で当然の怒りでもある。
何より民主主義社会に生きる私たちが信じてきた『主権者』という政治神話からも間違っている。
ザ・民主主義の赤字。


基本的にはそうした構図とはまぁ無縁だった*1日本社会でも、アレなWHOへの不満が盛り上がっている現状のコロナ騒動はやっぱり面白いなあとwktkしてしまう所ではあります。



自分の国を「一番に(ここ重要)」考えてくれるのは、自分たちの国の政治家しかいない!
グローバリズムなんて知ったこっちゃない!
やっぱり自国がナンバーワン!
自国ファーストや!
――当時こそ愉快に眺めていたものの、しかし今になって見ると、トランプ旋風で見られたあの論理展開にちょっと納得してしまう所はあるよねえ。
国際機関や国際条約は結局のところ実際の危機の瞬間に私たちを救ってくれるわけではない、というアメリカでは根強く続いてきた国際条約や国際機関や国連への不信。
自立意識と表裏一体でもある孤立主義的信念。


国際機関への信頼感について。
今回のコロナ騒動で私たち日本人の意見はどう転ぶことになるだろうか?
それはやっぱり国際社会に背を向けた戦前戦中日本との比較、という議論の強弱にもよるんでしょうけど。


みなさんはいかがお考えでしょうか?

*1:ジャパンハンドラー()に支配されている日本政治、的なとてもユニークな見方もあったりしましたけど。