(ワクチンによって)冷静さを取り戻せ!!

2020年でもやっぱり正しく恐れられない私たちは、クスリに頼るしかないのだ。





菅首相、GoToに急ブレーキ 小出しの見直しもう限界[新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル
ということでgotoトラベルが止まってしまうそうで。no-goトラベルになってしまった。

 政府はこれまで専門家から再三、事業の見直しを求められてきた。感染者が増え続ける現状に官邸は焦りを強めていたが、トラベル事業については「感染拡大につながっているエビデンス(証拠)はないと判断している」(首相周辺)などと慎重だった。方針転換して、全国での停止に踏み切った背景について、官邸関係者は「直近の世論調査が効いた。このままでは政権にとって大ダメージになる」と、世論に突き動かされたと語る。

菅首相、GoToに急ブレーキ 小出しの見直しもう限界[新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル

コロナを恐れる私たちの世論を見誤った、というのはまぁその通りかなあ。
実際、世界中で第三波によって最悪の時期に入りつつあるコロナの感染状況、というのも確かにあるわけだし。
日本における新型コロナウイルスの感染状況・グラフ*
個人的には、海外のそれを比べれば日本の状況は「まだ(ここ重要)」大分マシなので、経済の方へ多少舵を切ってもいいのではないかと思ってはいますけども、まぁ私たち国民がそれよりもコロナ対策の方に注力せよと言うならばしかたないよね。
だってコロナが怖いんだからしかたない。
100%善意から、油断するべきではないとコロナの恐怖や危険性を広め続けていることが、私たち自身の冷静なコロナ評価の妨げとなっている構図。
かといって恐れるべきではないと言い過ぎれば油断するのも間違いない。
いやあジレンマな話だよねえ。




経済かコロナ終息か、一体私たちはどちらをどれだけ優先させるべきなのか。
コロナ対策、経済から見るか? 人命から見るか? - maukitiの日記
まぁこんなことwithコロナな世界が始まってからずっと言われ続けてきたお話でもあります。そして一年経過した今でもやっぱり答えは出ていない。明確な正解が見当たらない以上、やっぱりどちらをどれだけ選んでもどこからか批判が出るのは間違いないんですよね。そしてその構図がまた更なる不毛な議論を呼んでいく。
トラベル停止「後手後手の何乗かぐらい後手」 枝野氏:朝日新聞デジタル
一方で、やっぱり「ためにする批判」をしている人たちもいっぱい居て、人間ってホントどうしようもないなあと生暖かい気持ちにはなってしまいますけど。


もちろんここで「コロナを終息させてから経済を回せばいいのだ!」というものすごく真っ当なことを言ってみてもいいですけども、まぁそれが本当に実現できるのならば苦労はしないよね。
新型コロナ: コロナ対策、春の「優等生」に試練 ドイツ・韓国: 日本経済新聞
結局こうして、「最悪の第三波」が来ているのは、日本だけじゃなく世界中の多くでそうなっているのだし。
それこそ愚かで中世ジャップランドな「日本だけが」失敗していて、他に成功事例がいっぱいあるというならばそれを真似をすればいいんでしょうけど、少なくとも先進国と評される他の国を見渡してみても、日本以上に再度の感染流行期抑制に成功している事例はあまり見当たらない。
数字を見る限り唯一成功していそうな中国を見習えと言うならば……、うん、まぁ、そうねえ。




つまり、おそらくはワクチンが世界中に行き渡るまでは最早完全終息は不可能であり、今よりも状況がマシになることはあんまり無さそうという現実でもある。
どこかで折り合いをつけなければならない。
……かといって、そんな合理的な判断だけで、私たちの恐怖する感情を抑え込むことができるわけでもない。
この辺は『3・11』の時にも散々やった所だよねえ。
私たちは「正しく恐怖する」ことがひたすら苦手なのだ。
小柳ルミ子 メルケル独首相のスピーチに感銘「日本には何故、リーダーシップをはかれる人がいないのだろう」 | 東スポのニュースに関するニュースを掲載
その意味で言うと、先日の通常日記でも言及した「政治家の上手いスピーチに感動する人たち」という、政治の結果責任なんてどうでもいい人たちの愉快なニュースも割と捨てたもんじゃないとはちょっと思うんですよね。
そのスピーチによって人びとに安心感を与えることで恐怖を和らげる効果は実際あるだろうし。*1
アメリカで新型コロナウイルスのワクチン接種開始 - BBCニュース
米当局、モデルナのワクチンは「安全で有効」 承認近づく - BBCニュース
おそらく、今回のコロナにおいて、恐慌する我々に平静さを取り戻す契機となる銀の弾丸となるのはワクチンとなるのは間違いないでしょう。
ワクチンに期待されている実際の効果と同じかそれ以上に重要なのは、我々の恐怖の鎮静効果である。




それは同時にまた、「ワクチンがあるのでもう安心して欲しい!」という政治家の巧みなスピーチにどれだけ私たちが上手く騙されるか、という構図でもある。

ドナルド・トランプ米大統領は、ニューヨークでのワクチン接種のニュースに続き、「最初のワクチンが投与された。おめでとうアメリカ! おめでとう世界!」とツイートした。

アメリカで新型コロナウイルスのワクチン接種開始 - BBCニュース

日本の政治家=菅首相がそれを上手くできるとはあんまり思えないのがちょっと怖いなあとは思ってます。
それこそ政治家の上手い演説や、美辞麗句に安易に騙されない『賢い有権者』の証左でもあるんですけど。


はたして、コロナに怯える私たちはワクチン接種によって今度こそ冷静さを取り戻し、コロナを終わらせることができるのだろうか?


みなさんはいかがお考えでしょうか?
 
 

*1:でもそれってヒトラーしぐさとどう違うの???