印象操作、トランプが先か? マスメディアが先か?

ミスリーディングさせて利益を得ようとする大勢の私たち。




コロナ禍で休退学5千人超 大学生・院生、文科省が調査:朝日新聞デジタル
木村幹氏が「コロナ禍での大学中退」記事について批判(ツイート抜粋) - INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-
コロナ禍で休退学5000人超、←数字をよくみたら前年比13700人減!? - Togetter
うーん、これはevilと言わざるをえない。

文科省が全国の国公私立大に調査したところ、4~10月に新型コロナの感染拡大の影響を受けて中退した学生・大学院生は1033人、休学は4205人に上った。このうち、学部1年生はそれぞれ378人(約37%)、759人(約18%)だった。一方、全体の中退者は2万5008人、休学は6万3460人で、昨年の同時期と比べると、ともに6833人、6865人減っていた。

コロナ禍で休退学5千人超 大学生・院生、文科省が調査:朝日新聞デジタル

うーん、これは邪悪と言わざるをえない。おわり。




さて置き、ここでしみじみ面白く、歪で、そして愉快な逆転現象だなあと思うのは、所謂トランプ政権的手法の一つである「印象操作」「オルタナティブ・ファクト」とかなり近い所にある点だと思うんですよね。

 ――強烈な個性のトランプ大統領ですが、そのコミュニケーションの特徴は何ですか。
 一言でいうと「ガスライティング(gaslighting)」、つまり「誤った情報で相手を操作する」ことです。ウソの情報を与えることで、混乱させたり記憶を疑ったりさせ、次第に認識を変えさせていく手法ですね。


 ――ウソが基本スタイルということですか……。具体的には?
 リズムのよいフレーズを重ねてたたみかける、ウソの情報を組み合わせて印象操作をする、といったメッセージ性が強い発信の仕方をしています。

トランプVSバイデン、初の直接対決へ 討論会の注目は - アメリカ大統領選挙2020 [アメリカ大統領選2020]:朝日新聞デジタル

うんうん、そうだよね。朝日新聞はウソをついていないから、今回のようなタイトルを使うのはセーフなんだよね! 
「コロナ禍で休退学5千人超」というのはメッセージ性がないから、印象操作ではなくセーフなんだよね!


あれほど「反トランプ」で一致団結しその手法を批判していた――まぁそれ自体は概ね真っ当なポジションではある――にもかかわらず、批判していた側がご覧の有様だというのはやっぱり面白い構図だよねえ。
アメリカ コロナワクチン接種後 6人に激しいアレルギー症状 | 新型コロナウイルス | NHKニュース
といってもまぁやっぱり朝日新聞だけがそれをしているわけでも絶対にないんですけど。
あのトランプにしてこのマスコミあり。
いやあ一体どちらが先に始めたんでしょうね。
あるいは、インターネット上にあふれるようになったまとめサイトが先なのか?




といってもトランプも、朝日新聞などのマスコミも、あるいはまともサイトも、実のところそこまで確固たる信念に基づく理想像へ向けて『印象操作』をしているとは個人的には思ってないんですよね。
合理的な機会主義者であるだけ。
彼らは――そのどれもが、等しく、ひたすらに衆目を集めPVを稼ぎたい、というのがまず大前提でしょう。
とにかく、より「魅力的()」なタイトルで我々の興味を引き付けようとする人たち。
それが誠実な態度ではない、というのはトランプにも、まとめサイトにも、そしてマスコミにも当てはまる批判だとは思いますけど。



「社会の木鐸である」などと頭のおかしい供述自称しないのであれば、まぁ別にそういう態度だってかまわないとは思うんですよね。それこそ当日記だってタイトルはその大部分が面白半分にネタに走っているわけだし。


悲しいかな、メディアがそうであるように、政治家すらもそうした「耳目を集める発言」に走るようになっている現代社会において、彼らの態度を責めることができるだろうか?
煽りタイトルを付けることは合理的である、という現実は読者である私たち自身が証明しているのだから。
故にタイトルで印象操作をすることも厭わない合理的な人たち。
つまり、これは不誠実なメディアの問題ではなく、私たちが暮らす現代社会にある、合理的な広告戦略の物語なのでしょう。


みなさんはいかがお考えでしょうか?