失われない同盟をもとめて

いよいよ『戦前』らしくなってきたよねえ。



岸田首相イギリス到着 「日英円滑化協定」署名の見通し | NHK | G7サミット
ということで令和の日英同盟にまた一歩近づいたそうで。これで今度こそ次の大戦は勝ち組にいけるドン!

また自由で開かれた国際秩序を守るために、新たな安全保障関連の文書を決定するなど防衛力の抜本的な強化を図っていることを説明し、日英両国の安全保障協力をさらに推進していくことを確認したい考えです。

さらに両首脳は、首脳会談のあと自衛隊とイギリス軍が共同訓練を行う際などの対応をあらかじめ取り決めておく「日英円滑化協定」に署名する見通しです。

岸田首相イギリス到着 「日英円滑化協定」署名の見通し | NHK | G7サミット

まぁ今回のウクライナ侵攻の最も重要な戦訓の一つが「同盟国の重要性」ということを考えると、お互いにそれを求めたのも理解できるよねえ。ウクライナはどう見ても「同盟の外」にあったから攻撃されてしまった。そしてそもそも何故ウクライナが侵攻を受けたのかというロシア側が説明する理由の一つが「勝手に同盟(NATO)に入ろうとしたから」という身も蓋も無さというね。
つまり皮肉にも、ウクライナの悲劇と、そしてロシアの悪逆さ、そのどちらもが等しく同盟の重要性を示唆してしまっている。
その意味で、ぢゃあ世界中の国で同盟を結べば世界平和ぢゃん、という小学生理論は割と正解でもあるんですよ。そして私たち人類は割とその実現に向けて進んでもいた。
――国連という形で。
しかし現在の国連を見れば明らかなように、なら同盟国と同盟国同士が揉めたらどうすんの??? という問題には結局誰も解答を用意するこができず、正しく機能不全に陥るのであった。歴史は終わらなかった。


もちろんその『同盟』関係は、単純に非常事態の際に「助け合う」というだけでなく、そもそも日頃からめんどくさいお付き合いを地道に続けていくということでもあります。
本邦でも既に60年続いている(世界的に見ても稀有な)日米同盟を見れば解るように、まぁむしろ平時に問題が起きるのはこちらの方が大きい。
それはミクロな私たちの人間関係でも見られる不満で、色々としがらみのある世間との付き合いってめんどくさいもんね。しばしば自分の都合よりもそちらを優先せざるを得なくなる。しかしそうした負担の積み重ねがあってこそ、地域社会におけるいざという時の助け合い精神の基盤となる。




ちなみにその同盟関係におけるある種典型的な「失敗例」というのが見られるのも、2023年という現代世界でもありまして。
ロシア軍との合同演習拒否 アルメニア首相、不満表明:東京新聞 TOKYO Web
明らかにその「いざ」というタイミングでそれが機能しなければ、その信頼関係は致命的なレベルで喪われることになる。そりゃそうだよね。まさにそういうタイミングの時の為に普段から掛金を払っているのに、しかしロシアは何もしてくれなかった、という失望。
かくして現代のプレイヤーたちは、かつてのプレイヤーたちがそうしていたように、再び頼りになる同盟を求めて東奔西走することになる。
歴史上いくつかあった世紀の大帝国たちがそうであったように、あるいは世界で最も優越した軍隊を持ったアメリカですらそうだったように、どんな大国であろうと軍事力だけで勝ち続けることは不可能なのだから。


大国も、中小国も、大人も子供もおねーさんも、失われない同盟をもとめて。
悲しいことに、そういう時代になってしまった。
みなさんはいかがお考えでしょうか?