オバマさんの二年越しの試練。あれだけデカイことを言ってしまった手前ほんと一体どうするんでしょうね？ なお話。
時事ドットコム：パレスチナの国連加盟支持＝近く正式申請へ−アラブ連盟
【エルサレム時事】アラブ連盟（２２カ国・機構）は１４日、ドーハで会合を開き、パレスチナの国連加盟申請を支持することを決めた。ＡＦＰ通信が伝えた。パレスチナは現在、国連で会議などに出席はできるが投票権のない「オブザーバー」の地位にある。パレスチナは近く正式加盟を申請する方針で、申請時期は今後決定するという。
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011071500006
国連加盟は、国連総会で３分の２以上の賛成で採択される。パレスチナ側は、約１２０カ国から国家承認を受けており、必要な賛成票を確保できるとみている。（2011/07/15-00:15）
これはフラグ立っちゃったなぁという感じですよね。
少し前のハマスとファタハの再合流*1以来、国連でのパレスチナ国家承認手続きが行なわれるんじゃないかって、それはもう関係者の皆さんが色々ゴタゴタやってきたわけであります。パレスチナさんがそれをやっちゃうと、しかも可決見込みがあるとなると、アメリカさんとしては最終手段の拒否権を使わざるを得ない状況に追い込まれてしまうわけで。
しかしそんなことしてしまえば民主主義の守護者たるアメリカさんとしては、どうにもこうにも格好がつかないので、当然できればやりたくないというのが本心だったわけです。
なのでそれはもう必死に何とかそれを防ごうと色々頑張っていたらしいですけど、しかしこうして外堀が見事に埋まってしまったと。いやぁ悲しいお話ですよね。
まぁ実際当時も色々批判されたオバマさんの中東和平を訴えた『カイロ演説*2』ではありましたけど、それなりに真っ当な意見だったと個人的にも思います。行動はともかくとしても、それなりにバランスのとれたことをきちんと演説として発表できた辺りは評価できるんじゃないかと。それまではそれを「言う」ことさえできなかったんだから。
でもそんな言葉だけの「演説」だけじゃ片付かない問題が表れてしまったわけであります。パレスチナの国連加盟申請。ある意味でかつてのガザ等での『戦闘行為』よりもずっと難しい問題ではあるんですよね。あの時は「暴力よくない」で、なんとかゴリ押しすることもできたんだから。しかし今回ばっかりはそうはいかない。容認するも反対するも、最早旗幟を鮮明にしないわけにはいかなくなってしまった。
がんばれオバマさん。あのデカイことを言った『カイロ演説』の真価が問われる時はもうすぐだ。いやまぁぶっちゃけ本人は国内問題で今すごい大変そうですけど*3。
さて置き、そういえば2009年当時はそうしたオバマさんの「デカいこと言ったった演説」でそれはもう中東問題の救世主的な扱いをされていたんですよね。
http://www.aaiusa.org/reports/arab-attitutes-2011
• After improving with the election of Barack Obama in 2008, U.S. favorable ratings across the Arab world have plummeted. In most countries they are lower than at the end of the Bush Administration, and lower than Iran's favorable ratings (except in Saudi Arabia).
http://www.aaiusa.org/reports/arab-attitutes-2011
ところがどっこい、二年経った今じゃ「現在のアメリカは、ブッシュ政権の末期よりも中東諸国からの好感度は低い」そうです。
オバマさんが下手に期待をもたせたせいで、初めから期待もクソもなかった前ブッシュさん時代よりも反動で嫌われてしまっている。なんとも悲しいお話です。彼が下手に希望を与えてしまったからこその「ブッシュ以下」な結果。
ほんとどうするんでしょうね？
ということで何の根拠もない今後の展開としては、
- 投票手続き自体を無かったことにする。
- 一番望んでいた未来。しかしもう上記アラブ連盟が介入したおかげで無理そう。
- 賛成する。
- 反対する。（拒否権使用）
- 一応本命。パレスチナをはじめアラブな人たち大激怒。そして中国さんとかがプギャーする。でも上でも書いたように、もう嫌われまくってるんだから今更気にしても仕方ないよね、的な発想もできます。
- 反対する。（拒否権不使用）
- （賛成はできないし、でも拒否権も使いたくないし……）僕も色々必死でがんばったんだけど投票で負けたんじゃ仕方ないよね♪
- どっちにもいい顔をしようとして結局敵味方問わず大激怒なパターン。日本人的には好印象かもしれない。何気にありそうで怖い。
