シリアの混乱が結ぶ絆

仲直りにはキッカケが必要だよね、というハートフルなお話。



イスラエル首相、パレスチナ支援船急襲でトルコに謝罪 関係正常化へ 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
ということでオバマさん久々の外交での得点であります。アメリカさんちも内政は色々ありますけども何とか踏みとどまっているし、良いことは続くなぁと。おめでとうおめでとう。

【3月23日 AFP】イスラエルベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は22日、トルコ人9人が死亡した2010年5月のパレスチナ支援船急襲事件についてトルコに謝罪し、外交関係の全面的な正常化と補償を行うと発表した。

 3年近くにわたる両国の不和に突破口を開いたのは、初のイスラエル訪問を果たしたバラク・オバマBarack Obama米大統領だ。

イスラエル首相、パレスチナ支援船急襲でトルコに謝罪 関係正常化へ 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

正直パレスチナ問題解決の望みは薄いし、いったい何の為にイスラエルなんて行くのかと思っていたら、まさかの展開であります。当初期待されていたそのパレスチナの方はというと、見事なスルー具合なわけですけど。
結果として見ればおそらく、だからこそ、こうしてオバマさんは『初のイスラエル訪問』の演出を決断したのでしょうね。手ぶらではなくきちんと手土産を持っていたオバマさん。かなり混乱状態な中東(最近ではキプロスまで!)にあって、やはりトルコ―イスラエル関係修復はアメリカの国益に適うのだろうし。そしてもちろん政治的得点として。


ともあれ、もちろん最後の一押しとなったのはオバマさんなんでしょうけども、しかしこの三年間続いていた不和から両者が再び手を結ぶ「状況」を生み出したのはやっぱりシリアの混乱なのでしょう。もしこの「状況」がなかったとしたら、イスラエルのほぼ全面的な謝罪と、トルコ側のその受け入れ、という今回の構図は成立しなかったのだろうなぁと。
まったく見通しの立たないまま周辺国を巻き込みまくっているシリアの混乱にあって、やはり地域における重要なプレイヤーである両者が一致して対応にあたることはやっぱり必要不可欠であるわけだし。その意味ではシリアの人びとにとってもやはり福音ではあると言えますよね。


両者にとって他人事ではないシリアの大混乱こそが、こうして関係改善を導くことになった。
シリアの混乱が結ぶ絆。いやぁ皮肉な話ではありますよね。