まだ人間じゃない?

ただ不妊治療というだけで済めば誰も傷つかなかったのにね、なお話。


体外受精受精卵着床前に全染色体診断 神戸の産婦人科医 学会指針に違反+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
「命の選別」批判も…全染色体診断
大谷院長との一問一答…全染色体診断
少し盛り上がってた不妊治療における着床前診断のお話について。

 大谷院長によると、昨年2月から今年5月にかけ、129組の夫婦に、1回ずつ新型診断を実施。患者の年齢は25〜45歳で、いずれも受精卵の染色体異常が原因で着床しなかったり、流産を経験しているという。129組のうち受精卵が順調に育ち、子宮に戻せたのは70組。50人が妊娠、19人が出産に至ったが3人は流産した。28人が現在妊娠中。この診断で受精卵を子宮に戻した患者の妊娠率は約7割で、診断を行わない妊娠率の3倍近いという。

体外受精受精卵着床前に全染色体診断 神戸の産婦人科医 学会指針に違反+(1/2ページ) - MSN産経ニュース

やっぱり個人的には、特に高齢出産が少なくない日本では、まぁ避けられない状況なのかなぁとは思ったりします。
ともあれ、まぁこのお話で面白いのは、よくSF等で語られていた命の選別――例えば「遺伝子操作による天才の創造」の一歩手前にあるような今の構図って、金持ちなどの『強者』の為の技術というよりはむしろ中間層以下の『弱者』にこそ恩恵をもたらす技術でもあるという点なんですよね。
金持ちがそうした道楽に走るのは放っておけばいいと思いますけど、しかし不妊治療などの重い負担で悩む人たちを救う為である技術としたら、それは果たして許容されるべきなのか?


勿論賛成にしろ反対にしろ様々な意見はあるのでしょうけど、しかしこのお話は――アメリカのそれを見れば解るように――それはもうめんどくさい議論となるのは必至であります。一体人間はどこから『人間』として扱うべきなのでしょうね。 出産から? 胎児から? 着床後から? 着床前から?
そんな中でも、このお話で最もやり切れないのはこういう構図なのかなぁと

――これまでも障害者団体は強く反発している。

 「流産を予防するためであり、障害を持っている人を排除しようという気はまったくない。赤ちゃんを助けたい。不妊症の人を救いたいという思いだけだ。妊娠したいと願うのは人の本能であり、それがかなわない人を救うことこそが医療だと考える」

大谷院長との一問一答…全染色体診断

「命の選別」に反対する『障害者団体の強い反発』ですって。なんというかコメントしにくい悲痛な連鎖ではあります。


でもまぁ私たち日本においてはその増えていく高齢出産による要請と、また宗教などによるイデオロギー的な対立がない分そこまでハードルは高くないのではないかと少し思ったりします。みなさんはいかがお考えでしょうか?