ふぇぇ、連合王国なくなっちゃうよぉ……

タイトルオチ。


スコットランド、独立問う住民投票実施で英政府と合意 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News
ということでスコットランドさんちが大騒ぎだそうで。アイルランドほどじゃないにしてもやっぱり独立な機運は昔からあったわけですけども、まぁこんなことを言うと怒られてしまいそうですが、アイルランドさんちほど『悲惨』でもなかった彼らはこうして何となくここまでやってきたのでした。元々経済的にも豊かだったし、宗教も一緒だし、北海油田もあったし。ところが現在ではご覧の有様であると。
まぁこの辺はアイルランドのそれというよりは、ベルギーのお話に構図としては近いんじゃないかと思います。
ベルギー北部の「分離独立」目指す政党が躍進−統一地方選 - Bloomberg

つまるところ、皮肉なことに『欧州連合』があるからこそ、彼らは分離への一歩が後押しされるようになってしまった。本来あった『国家』による一体性が薄れていく中で、それまで押さえつけられていたよりローカルな断層線が浮かび上がってきてしまっている。民族だとか宗教だとか言語だとか。そしてそこに更に油を注ぐように、『欧州連合』という超国家的な枠組みにある程度まで頼ることで中央政府から独立してもなんとかやっていけるだろう、という見込みまでもが。
実際、少し前のベルギーさんちの500日以上の政権不在状態でも証明されたように、その観測はそれなりに正しいわけです。
無くなってしまったのは「勇気」ではなく、「理由」です - maukitiの日記
上記以前の日記でも書いたお話ではありますけども、かくしてヨーロッパの彼らは欧州連合=一つのヨーロッパという理想を進めれば進めるほど、その内部ではより細分化していく。それまでは嫌々ながらも妥協して一緒に国家としてやってきた彼らは、もうイヤなことを我慢する必要がなくなりつつあるのです。それこそかつてのアイルランドのような悲愴な決心と覚悟をするまでもなく、もう少し軽い気持ちで分離独立を望めてしまう。
それが良いことなのか悪いことなのかは別として、やはり欧州連合がもたらす影響が、結果としてこうした現状を導いているのでしょう。


さて置き、こうなると次のウェールズまで射程に入ってきてしまいますよね。しかし、こうして見ると実は『欧州連合』で一番ババ引いているのってイギリスさんなんじゃないかと。その意味で反対派の人たちが「欧州連合という誘惑があるからいけないんだ!」と考えてもおかしくはないですよね。

 しかし世論調査会社TNS-BMRBが前週発表した調査結果によると、スコットランド独立に賛成は28%、反対が53%と、このところ独立賛成派が減ってきている。

スコットランド、独立問う住民投票実施で英政府と合意 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News

そしてこの独立賛成派の後退もやっぱり欧州危機のそれと関連しているのかなぁと。
EU脱退問う国民投票の意向 キャメロン英首相 - MSN産経ニュース
もちろんそれが全てだとは言いませんけど、少し前に大騒ぎになったキャメロンさんの「オレたち、EUやめるかも」発言も実はその辺と地味に関連していたりするのかと少し勘ぐってしまいます。