それでもオバマケアなら……オバマケアが成功すればきっとなんとかしてくれる

だめそう。





米医療保険改革、オバマ大統領が混乱の責任認める 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
ということでオバマさんの対応が問われていたオバマケアの強制移行期限が延期されたそうで。後退というか、勇気ある決断というか、軌道修正というか、弥縫策というか、まぁ大体そんな感じー。
米下院、オバマケア基準外保険の1年間継続・新規契約認可法案を可決 - WSJ
で、その翌日には下院共和党主導によるオバマケアの修正案が可決されたりしちゃったりして。いやぁ混沌としていますよねぇ。でもまぁこの修正案にしてもオバマさんの拒否権が出る所までは既定路線なので、本質的にオバマケアの是非が問われている、という構図ではやっぱりないのでしょう。むしろサイトの運用失敗からここまでの騒動で、決定的に傷ついたのは「オバマさんの信頼」でもあるわけですよね。特にオバマケアのスタート失敗と、強制移行について「嘘をついた」こと、挙句の期限先送りという修正案は、オバマケア反対派というよりはむしろ身内の支持派からの不満を高めることになっている。
その意味で、現状のオバマさんの支持率低下が重要な意味があるのは、これまであった単純な(共和党を中心とする)反オバマからの不満とはまた別の角度からの構図になりつつあるんですよね。「オバマケア反対!」ではなくて「約束してたことと違うではないか!」という批判の声。
あれほど強い口調で、自身の最大の功績であると自負していたはずの『オバマケア』が蓋を開けてみればこのザマだったっていう。そこに掛け金を全部突っ込んじゃったものだから、他で負けたときのダメージとは比較にならないほどの大きな物となっている構図。だからこそ「一つの籠に卵を全部入れてはいけない」なんて言われてきたはずなのに。
ここまでオバマケア一点突破でやってきたオバマさんの基本戦略の落とし穴。
『ひとつのアメリカ』の演出には失敗しても、外交政策で多少のミスはあっても、債務上限問題で政府機関閉鎖を招いても、しかしそれでもオバマケアがあるから大丈夫だったはずなのに。


こうしたオバマケアを巡る問題は結局のところ、どこまでいってもアメリカさんちの内政問題でしかないのは確かにその通りなんですが、そうは言ってもこの失敗が政権二期目に必ずやってくるであろうレームダックの到来をより早める可能性があるのは結構ありそうなお話なんですよね。大統領の致命的な支持率の低下。二期目以降にそうした構図から脱却できた大統領は、ぶっちゃけほとんど居ないわけで。そしてそんなアメリカさんちのグダグダは、遠からず私たち日本にまで――特に外交安全保障などの分野において、影響を与えないわけがない。
オバマケアの失敗が呼び寄せる、少し早めのレームダック。まだ三年も残っているのに。


がんばれオバマさん。