二極化するアメリカ政治

いつものオバマ節と言ってしまえばそれまでのお話ではあります。


オバマ大統領、同性婚支持を公に表明 米大統領として初 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
同性婚支持を宣言したオバマ米大統領の「賭け」、時流読んだ政治的手腕か 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
ということでオバマさんがまた「言うたった」したらしいです。『同性婚支持』ですって。まぁなんというかすごいなぁと。しかしこれで勝てる見込みあるんでしょうかね?
銃規制と同性婚に対する米世論に変化、米国 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
オバマさんのこのあまりにも唐突にも見えるネタって、やっぱりこの辺りが伏線になっているんでしょうか。

 ピュー・リサーチ・センターが公式ホームページで発表したところによると、個人が銃を所持する米憲法上の権利を守るべきだと回答した人は49パーセントだったのに対し、銃所持の規制を優先すべきだと回答した人は45パーセントだった。個人の銃所持を規制することの方が重要だと考える人が多かった1993年から2008年までの世論調査結果とは逆の結果になった。

 その一方で、2008年には39パーセント、2004年には31パーセントだった同性婚を支持する人の割合は、今回の調査で47パーセントに上昇していた一方、43パーセントは否定的な意見を持っていることが分かった。

銃規制と同性婚に対する米世論に変化、米国 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

僕もこの記事が出た時に日記のネタにしようと一瞬思いつつも「アメリカの銃規制はまた後退するのかー、でも仕方ないよね、だってライフル協会とかこわいもん」と当たり前のお話しか言えないのでスルーしていましたが、その一週間後にまさか同性婚の方でこんなニュースに繋がるとはまったく予想できませんでした。オバマさんはほんと想像の斜め上を行くなぁと。
確かに同性婚支持の割合は31%から47%に大幅に上昇していますけど、しかし43%の反対票もまた存在するわけで。そんな状況下で突っ走ってしまったら大荒れになってしまうの確定じゃないですか。それこそ本人にとっては為さねばならない福音=使命感のように感じているんでしょうけど。しかし大多数の穏健派な人たちはそんな風に「急激」に変わることなんて求めてないだろうに。その意味では、共和党内でティーパーティなんかが暴れまくってるのと同様にやっぱり民主党も似たような問題を抱えているんでしょうね、と他人事として端から見てては思ってしまいます。
つまり――共和党だけでない――両極化する二大政党であると。過去にはしばしば見られたような、政策にほとんど違いのない形ばかりの二大政党制、とどっちがマシなのかと聞かれる困りますけど。どちらにしても選挙戦略としては、極端に走りがちな共和党をバカにしてた人たちは、この件についても民主党はバカだ、なんて仰ったりするのかなぁと余計なお世話なことを考えてしまいます。


まぁ勿論同性婚支持派の皆様が求める点については解らなくはないんです。ただまぁ、風呂の水を流そうとして赤子まで流してしまったら意味はない、なんていう保守派の箴言もやっぱり頷いてしまうわけで。
結局のところ、最近まであった予備戦中に見られたような共和党内でのあの暴走と同様に、オバマさんのこの『同性婚支持』発言も、やっぱり大多数を占める穏健派な中道層を置きざりにしてしまっているんじゃないかと思ったりする次第であります。ぶっちゃけ構図的にはどっちも違いはないんじゃないかと。同じ病を抱えるアメリカ二大政党について。