国際社会の中心が反露をさけぶ

「こくさいしゃかいのこえ」をむしするにほん。


【元ロシア・スパイ】20カ国が露外交官を追放 史上最大規模 - BBCニュース
先日日記21世紀版『栄光ある孤立』へ - maukitiの日記でも書いた「反ロシア」な外交対応が欧米で一斉に進んでいるそうで。

米国や欧州連合EU)加盟国が26日、相次いでロシア外交官の国外追放を発表した。今月4日に英南西部ソールズベリーでロシアの元スパイ、セルゲイ・スクリパリ氏(66)と娘のユリアさん(33)にロシア製の神経剤が使われたとされる殺人未遂事件に関して、英国が駐英ロシア外交官23人を追放したことに追随するもの。これまでに20カ国以上が国外追放を表明し、対象者は100人超に上っている。

【元ロシア・スパイ】20カ国が露外交官を追放 史上最大規模 - BBCニュース]

所謂『国際社会』の中心たる国たちが一斉にこうしているのは、やっぱり色々と象徴的だなぁと。再びヨーロッパの天敵となりつつあるロシア。
ここで面白いのはあくまでも主に「ヨーロッパの」という所であって、それ以外の地域(例外的なオーストラリアも文脈の中ではその一員でしかない)にとっては予想通りリアクションはなく、まぁ世界全体からすれば当然少数派でもあるわけで。国際社会の声が一体どういう層なのかとてもよくわかる構図。


といってもまぁそのヨーロッパの過敏な反応は基本的には理解できるものではあります。だってロシアが怖いんだもん。
当たり前の話ではありますが、ある国家に感じる脅威度って単純にその恐怖感の大きさだけで決まるわけではない。距離がどれだけ近いか。過去の歴史でどれだけ似た事例があったか。それらが複合して感情は形成されていく。だから私たち日本から見てヨーロッパのロシアに対する反応って、中国に対する日本の感情とほとんどそのままの鏡像でもあるんですよね。端から見れば不合理にすら見えるソレも、しかし実際の当事者となると話は違ってくる。
ロシア外交官追放、日本は静観 「調査進展見守りたい」:朝日新聞デジタル
かくして日本としてはこうなると。仕方ないよね。中国と北朝鮮のことだけで手一杯なのに、その上ロシアとの間に無用な緊張関係を生みだしたくない。

 河野氏は「化学兵器の使用は決して許されず、使用した者は処罰されるべきだ」と述べながら、「日ロ関係はしっかりマネージしていきたい」と語った。北方領土交渉に前向きな機運をつくりたい日本政府として、ロシア側を過度に刺激したくないとの姿勢がうかがえる。

ロシア外交官追放、日本は静観 「調査進展見守りたい」:朝日新聞デジタル]

北方領土云々と言われていますけども、ぶっちゃけ元々見込みもない以上(といってもそれを公言するわけにもいかない)それも第一の本題でなく、むしろ中国北朝鮮問題への悪影響の懸念こそが本命でしょう。


日頃から「(外交問題について)国際社会の一員として恥ずかしくないようにしろ」と訴える人たちが、今回のこのアベ政権の対応はどうなんだって批判が巻き起こりそうでwktkしますよね。実際こうした日本のような対応がロシアへ余裕を与えているのは間違いない。
「いや、どう見ても起こりそうにないだろ」とかマジレス言わない。まぁ某書き換え問題で忙しいし、そもそも化学兵器とか平和を愛する日本人にとってはどうでもいいから仕方ないよね。都合のいい時だけそれを利用するのは戦略としては合理的ですらある。中国やロシアだって国連という建前でそうしているものね。


はたして今回のロシア外交官追放について、「国際社会の声」に従うのが正しいのか、それとも「世界の多数派」に従うのが正しいのか、それともひたすら地政学上の実利を求めて動くのか(それってつまり現状維持)。


みなさんはいかがお考えでしょうか?