脱原発派と気候変動否定派の両方を満足させる、「空気を操る程度の能力」を持つ政治家の真髄

ナウでヤングな若者にとってイケてるチョベリグでセクシー温暖化対策運動。



「気候変動問題はセクシーに」小泉大臣が国連で演説
小泉ジュニアな人が通常運行をしていたそうで。

 一方、この演説の前の記者会見での小泉大臣の発言が海外メディアで報道されました。
 小泉環境大臣:「気候変動のような大きな問題は楽しく、かっこ良く、セクシーであるべきだ」
 ロイター通信はこの発言を取り上げ、「日本の新しい環境大臣が『気候変動との戦いをセクシーに』と発言した」と大きく報じました。ロイター通信はまた、日本が23日の気候行動サミットで発言しないことや火力発電を増やしていることを指摘し、日本政府の地球温暖化問題への取り組みに懐疑的な見方を示しています。

「気候変動問題はセクシーに」小泉大臣が国連で演説

うーん、まぁ、そうねえ。
小泉進次郎環境相が気候変動問題について「セクシーであるべきだ」と言った背景: 極東ブログ
極東ブログさんでもその前例が指摘されていましたけども、「sexy」ってそこまでユニークな使い方かというとそうではありませんよね。めっちゃイケてる~とかそういう若者言葉なノリ。少なくともまったく見ないというわけでもないし。
まぁ日本語訳で「セクシー」ってカタカナにしているのが更によくないよね。
――いや、ネイティブではない僕たちにとっては本場の人に使われても脳内には「(せくしー?)」って浮かぶんですけど。そして自分で使うには心理的ハードルがすごい高くてまず無理~ってなるやつ。
それをこうして日本人ながら堂々と使ってみせる辺りに彼の非凡さを見てもいいんですけど。その点は素直に尊敬します。


ともあれ、ネット上ではまぁ笑われまくりですけども(天邪鬼的に擁護するなら)それなりに理解できるお話ではあるんですよね。
つまり、気候変動問題に取り組む姿勢というのはそれだけで「カッコいいこと」であるという価値観を前提とすれば。
温暖化問題とは、理屈じゃないんや! 絶対的な正義なんや! つまりセクシーや!
その意味でいうと、こうした光景って欧米的リベラルさの極致、ではあるんですよね。この件についてのあちらの報道が本邦と比較してもまぁ概ね中立なのもそういう理由でもある。少なくともトランプのようにリベラル的価値観のスタンダードから外れているわけでは絶対にないし。


そして、そうした振る舞いというのは「大衆を動かす」という一点においても間違っていない。
小泉進次郎氏 回答がポエム?「何言ってるかわからない」の声(女性自身) - Yahoo!ニュース
仮に中身がなくとも『空気』を作ろうとする彼の振る舞いは、まぁポピュリストな人として見ればとっても合理的ですらあります。
ポエムであろうと、とりあえず清潔でハンサムな見た目と、そして落ち着いて理知的(に見える)弁舌の能力さえあれば。それさえも十分すぎる才覚ではありますが。

《ごめん、進次郎のポエムが何言ってるのか全くわからない》
《それっぽい感じで何か語りつつ、実は何も言っていない小泉進次郎。こういう人を雰囲気で持ち上げるのは、いい加減にしたほうがいい。ろくなことにならない》
《自分の意見すら持ってるか怪しいよね》

小泉進次郎氏 回答がポエム?「何言ってるかわからない」の声(女性自身) - Yahoo!ニュース

ネット上での不人気とは裏腹に、しかし彼が「例外的」とも言えるレベルで、一般社会で人気があり続けてきた政治家であるということは、まさに彼の戦略が正しいことを自己証明している。


ということで、今回の「セクシー」は空回っている感は否めませんけども、やっぱり一貫性はあるとは思うんですよね。
「空気を操る程度の能力者」である小泉進次郎さんらしい振る舞いとして。
まさに「セクシー」という言葉を使ったことそれ自体が、彼が大衆受けする政治家であるということの証左でもあるんじゃないかと。


そのように考えると、「気候変動との戦いをセクシーに」とか言って煙に巻くことで実質的な負担を逃れる所までやってみせたら、ものすごく有能な政治家だと手のひらを返す可能性もあるので、自国第一主義な人たちは期待してみてもいいんじゃないかな。
彼の能力があれば、今回のニュースで海外報道から批判的に報じられているような、私たち日本が自国第一主義的に脱原発の為に火力発電を増やしていることも上手く誤魔化してくれるかもしれない。
そうだよね。実際、私たちは自分たちの安全の為ならば、気候変動はどうなったっていいと思っているんだもんね。
脱原発こそが大正義!
原発より火力!


脱原発を目指している人も、気候変動問題で日本が過度な負担を背負うべきでないという人も、今こそ小泉進次郎大臣のポエムワールドによるなんだかそれっぽいことを言って煙に巻く能力こそが求められていることを考えると、ものすごい適任なのかもしれない。
世界全体の重大なテーマである気候変動問題がありならがも、しかし自国第一主義的に脱原発をやっている私たち日本人にとって最適な人材。


実は、今回のニュースとはそのような構図として見るべきなのかもしれない。
脱原発派の主張と、気候変動なんてウソっぱちだという主張、その両方を両立させることができる唯一無二の大臣として。
タフネゴシエーター小泉進次郎
海外からの圧力を煙に巻いた小泉進次郎大臣に、日本人みんなでKPしよう!


みなさんはいかがお考えでしょうか?