天然なのか皮肉なのか計算なのか

オバマ大統領、ノーベル平和賞授賞 「平和維持のための戦争」に決意示す 写真7枚 国際ニュース:AFPBB News
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20091210-OYT1T01484.htm


正直すぎる。個人的には評価したい所だけど、実際は大変だろうなぁと思う。


平和原理主義者な人達からは、「てめー正しい戦争って何だ、ノーベル「平和」賞だぞ!」と怒られ。
現実主義な普通の人達からは、「今更お前は何当たり前の事を言ってるんだ?」と飽きられ。
まさに、こんな事言って誰が得するんだ?状態。



さて置き、「正しい戦争」ってのはやばい。
今更正戦論の議論とかされてもなんというか、その、困ります。
例えば「戦争はよくない」というお題目に対して、ある人は「(絶対悪という意味で)戦争はよくない」と使うし、また別のある人は「戦争はよくない(勿論最悪の選択肢ではないが)」と使う。正直これらの両者には埋めがたい隔絶がある。
同じように「正しい戦争」と聞いて、ある人は「正しい戦争は無い(戦争は全て正しくない戦争だ)」と言うし、また別のある人「正しい戦争は無い(正しいも悪いも無い)」と言う。同じ言葉を発していても。
そうして只でさえめんどくさい議論が更にカオスになる。言葉の定義ゲームが同時進行する。
続きはウェブで。じゃない、正戦論がんばれ。



最初に評価できる、と言ったのは、これを「ノーベル平和賞授与式」で言った事。
基本的にそんな事、戦争の必要性について少なくとも政治家ならある程度は理解しているはず。*1
しかしそれは本音と建前という壁に阻まれて、あんまり表には出てこない。で、それを知らない一部の人達が勘違いしちゃったわけだ。戦争はよくないと妄信的に。

平和は義務を必要とし、犠牲を伴う。

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20091210-OYT1T01483.htm

そんな当たり前の事を言った事についてはオバマ大統領を評価できる。解釈と弁明についての誤解を恐れなかった事こそが。その意味ではオバマ大統領の理想主義的な面が上手く出てるのかもしれない。正しい事を言えば皆解ってくれると。
関連:「解釈と弁明」というすれ違い通信 - maukitiの日記


と、かなり好意的な見方をすれば上記のようになる。
逆に否定的に見れば「当たり前の事を得意げな顔で語ってアホみたい」的なドヤ顔な話。
ノーベル平和賞を汚した!」についてはノーコメント。


あるいは嫌味で言ったのかもしれないけれど。
ノーベル平和賞授与式で、戦争の必要性を訴える」
す、すげー!

*1:多分。うちの国ではあんまり自信がない。