無邪気な啓蒙

twitter炎上話。ついったーオメガすごい。怖くてマジ近づけない。あめぞうとか初期の2chを戦々恐々と見ていた時代を思い出します。というか前も思ったけど何でこういう人は気軽に始めちゃうんでしょうね。こんな事にならないとでも思っていたんだろうか。


【児童ポルノ問題】アグネスの逆襲、そして炎上 (2010.5.7) - Togetter
よくある「どっちもどっちですよね^^」という何の生産性も無いコメントでお茶を濁す事もできる。でもそれじゃ寂しいよね。とりあえず何か書けば△でも貰えるかも知れない。という事で以下何か書く。


簡単な経緯)
・アグネスが反対派のつぶやきに初めてRTして反論
・案の定、炎上
・突然、アグネスが反対派のつぶやきを大量に公式RTしはじめる

【児童ポルノ問題】アグネスの逆襲、そして炎上 (2010.5.7) - Togetter

個人的に思い出したのは、スペインのアメリカ大陸征服の蛮行の正当化に関する論争。どちらがどちらなんて言えませんけど。
まぁ多くの人が触れているように確かにこうした一種の集団圧力は蛮行ではある。けどそれが特にtwitter住人達の非人間性や残虐性の表出であるかと言うと、そうでもないと思う。どちらかと言えば人間の本質が出ているんじゃないかと。こうした現象はそれこそネット黎明期からあった事だし、同様にそんな「正義」の衝突は歴史的にも幾度もあったのだから。
それでも、私達の進化の証というべきか、手段は限りなく現代的にはなっている。そしてそこに「直接の」暴力が見られる事は確かに減った。
それを私達は進歩と呼ぶべきだろうか?


さて最初に書いたスペインとインディオ達の論争の研究者で、「ツヴェタン・トドロフ」という人が居るんです。彼はこんな状況にとってもぴったりな事を言ってる。

人は自分が善だと思うことを、それが相手の目から見ても善であるかなどと配慮せずに、他者に押しつける権利をもつのである*1

うん、そんな感じですよね。彼らは等しく自らが世界の中心であると信じてしまうような彼岸に到達している。今回の話において、どこが笑える話なのか、あるいは恐れる話なのかと言えばそこであると。


と、結局「どっちもどっちです^^」的な中身の無いオチになってしまって泣く。

*1:『他者の記号学アメリカ大陸の征服』