米英情勢は複雑怪奇

日本とは違うイギリスさんの本気具合、なお話。


英政府、情報当局者の拷問関与疑惑めぐる調査委設置へ 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News
まだやってたんだなぁ、という印象。まぁここまでいかずにイギリスが日和るとか言われてたんですけど、結局ここまでいってしまったの見るとアメリカとイギリス間にある「本気な」軋轢、というのを感じます。
日本で見るような、核密約だとか県外移転だとか、結局何がしたかったんだかわからないプロレス的な構図と違って、本気なイギリスだと。日本のは八百長じゃありません、エンターテイメントです。

【7月7日 AFP】英国政府は6日、2001年9月11日の米同時多発テロ以後、同国の情報当局者が国外でテロ容疑者の拷問に荷担していたとの疑惑に関して、調査委員会を設置する方針を明らかにした。

英政府、情報当局者の拷問関与疑惑めぐる調査委設置へ 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News

経緯を適当にまとめるとそういう事なんでしょう。もう一年以上ぐだぐだやってる気がします。もっとか。
けどそのもう一つの面として、その疑惑のなかでももっと有名どころな「ビンヤム・モハメド」さんの事件*1による、そのイギリスの疑惑を解明するついでにアメリカにとっての機密情報も一緒にばらしちゃう事になるのでアメリカさん大激怒、なお話があるんですよね*2


もちろん拷問までされた彼への罪はそれはもう大変な出来事です。そりゃもう当然各所から色々怒られてしまいますよ。
でも何でそれを今まで隠してきたかって、そりゃアメリカさんに怒られてしまうからです。イギリスとアメリカは同盟国にふさわしくそれまで緊密な情報交換をしてきたわけで。もし機密情報の扱いを誤ればアメリカとの関係を損ねる事になって、当然そうしたテロ情報や安全保障情報の連携にも支障が出てしまう。じゃあ、どうすればいいんでしょうね?
アメリカとの関係を損ねる事は、長期的に見ればイギリスの情報機関にとって確実にマイナスである。
といってこうした不祥事を見逃す事も、長期的に見ればイギリスにとって確実にマイナスである。
彼らはどちらでも選択することができる。まぁ結局焦点はアメリカとの軋轢を許容できるか、という点な気がしますけど。


で、結局彼らはそれでもアメリカとの軋轢を許容した上で、そんな情報機関への監督体制を是正しようとしたわけだ。さすがジェームズボンドの国ですよね。日本なんて以下略。
さて置き、国際情勢スキーの今後の楽しみとしては、アメリカがどんな態度に出るかということですよね。そういえば現在進行形なBPという責任所在を巡る問題もあってタイミング良いんだか悪いんだか。まさに欧州情勢は複雑怪奇、じゃなくて米英情勢は複雑怪奇な時代ですよね。ええ上手い事言った気分です。