これからが本当の地獄だ

AA略であります。分離独立運動が盛り上がってるスーダンのお話。


スーダン南部の住民投票始まる、北部からの分離独立を問う 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News

 スーダンは1956年に英国から独立して以来、アラブ系イスラム教徒が多い北部と、アフリカ系キリスト教徒が多い南部の間で、宗教、民族、イデオロギー、そして石油に代表される資源をめぐる紛争が続いてきた。スーダン南部が独立すれば、193番目の国連加盟国が誕生することになる。

スーダン南部の住民投票始まる、北部からの分離独立を問う 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News

まぁ個人的には、どうせ国内紛争を抑えられないのであれば分離したい人たちはさっさと分離しちゃえばいいとは思うんですよね。だって国家間での紛争よりも国内での内乱の方が、ぶっちゃけてしまえば、かなりどうしようもない事になってしまうのだから。国家間ならば、基本的には国際社会が介入できるけども、それを国内だけでやられたらもうどうしようもない。ウェストファリア万歳です。
といってもまぁそんな言語や宗教や民族による「無制限の独立」が容認できるかというとそういうわけでもなくて、だってそれら全ての違いを認めたら、現在の200前後ある国の数が二桁位は増加してしまうから。10000近くある国家たち。なんというかその国際関係を想像しただけで悪夢というか、でもある種の人にとっての理想郷というか。


さて置き、タイトルの通りスーダンの本当の戦いはこれからであります。つまり単純に考えてもこの住民投票の後が大変であるわけで。
もちろん彼らの油田頼みともいえるような独立の将来は、多分、というかかなりの高確率で、アレでアレなことにはなってしまうんでしょう。しかしそれさえもある意味では幸せな結果でさえあります。彼らは彼らの運命の自ら決めることができるんだから。
そうではない、もっと近くにある「本当に彼らは公正な選挙を実施できるか?」の先にあるもの。それは「公正な選挙過程」であり、そして両者双方の「選挙結果の容認」であり、それはつまり「武力で結果をひっくり返さないこと」であると。こうしたデモクラシーな方法は確かに素晴らしいものではあるんだけどでもそれって物理的な方法、ぶっちゃければ銃で、簡単にひっくり返っちゃうものなんです。銃ってすごいです。


まさに「銃と神は国を救う*1」と唱える一部の人びとのお話も、まったく理解できないお話ではないですよね。
アメリカの銃社会は極端に過ぎると言えるけども、しかし私たち現在の日本人でも最終的に「暴力装置」をその権力背景に置いているのは伊達や酔狂でやっているわけじゃない。いつだって私たちの採った「公正で」「民主的な」な行動はしかしその物理的な方法、暴力によってひっくり返されてしまう危険があるのだから。


一部報道や熱狂する現地の人びとは忘れているのかもしれませんけど、その意味でやっぱりスーダンの彼らの戦いはこれからであり、本当の地獄はこれからなのでしょう。北も南もどっちもがんばれスーダン

*1:アメリ銃社会を肯定する、教会関係者などが掲げる大義