陰謀や利権とは優秀さの一端でもある

まぁ色々足りない人がやろうとしても失敗してしまいますよね、という悲しいお話。


中国スパイ疑惑「副大臣なぜ深入り」疑問広がる : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
「筒井副大臣は脇甘い」…民主内からも批判の声 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
ということで読売さんがスクープ気味に押し捲っている中国スパイのお話。色々めんどくさい時期にクリティカルなお話が出てきちゃいましたよね。日本にしろ中国にしろ「何でこのクソ忙しい時に」とか思ってそうです。
まぁ今回の農水省の件に関してはイデオロギー云々というよりは単純にお金=利権の問題であるようなので、そこまでアレなお話にはならないようにも見えます。もし上手く機能していれば、5000億の内の1%が商標使用料としてその団体に流れ込む仕組みだそうで。その民主党の議員の方が一発やる気になっちゃう気持ちも解らなくはありませんよね。まぁ見事にこうして失敗しているわけですけど。


その意味で「脇が甘い」と言うのはまさにその通りで。いやまぁそれを言ったら身も蓋もないんですけど。スパイにつけ込まれる程度には脇が甘くて、そしてそんな利権を生み出すことも出来ない程度にも脇が甘い。なんというか二重の意味で救えないお話ではあります。
でも大多数の普通の人にとってはそんな陰謀だの利権だのと簡単に作れるわけなんてないですよね。だってそれはつまりそうした大多数の人びとを上手く出し抜くだけの能力が要求されてもいるんだから。故にその為には絶対的なそれではなくて、むしろ周囲に対しての相対的な賢さや周到さが要求されるのです。


といってもこれは筒井さん側だけの問題というわけでもなくて、もうちょっと『中国スパイ』とされる人が優秀であればこんな事態には陥ってなかったことを考えると、やっぱりその中国スパイの人の能力にもやっぱり疑問符がついてしまうのだろうなぁと。件の事業にしたって中国側との根回しが上手く機能せずに見事に問題が表面化してしまった結果、元から農水省内部では評判がアレだったらしいですし。「なぜか副大臣が積極的にプッシュする怪しい事業である」なんて。かくして元々疑惑のあったそれが案の定こうして露見してしまった。
元々能力的にアレだったスパイの人が、元々アレな筒井さんと共謀した結果、当然の帰結としてこうなってしまった。
えーと、まぁ、なんというか、こういうときどんな顔をすればいいかわからないの感がすごい。私たち国民としては喜べばいいのやら悲しめばいいのやら。


せめてどちらか片方でも優秀であればこうはならなかったかもしれない。せめてもう片方が計画の杜撰さに気付いてさえいれば。ところが彼らはお互いに似たもの同士であった故に、こういう結末に陥ってしまった彼ら。だからこそ脇の甘い彼らはこうして出会ってしまったとも言えるかもしれません。自分の脇が甘い故に、相手の脇の甘さにも気付かない人たち。能力が足りなくて陰謀や利権を生み出すことも出来ない人同士の邂逅。しかしそれは運命の必然だったのだと。
『類は友を呼ぶ』とか禁句です。


しかし、この話で面白いのは、この段階に至って案外どちらの側も自分のことは棚に上げて「組んだ相手が悪かった」とか思っていそうな所であります。そしてそれは多分かなり正解に近い。お互いもうちょっと相手を選べば良かったのにね。