小沢新党という踏み絵

ぶっちゃけ過去の報道を考えたら大して批判されないんじゃないかなんて少し思ってましたけど、でもまったくそんなことはなかったぜ! なお話。


「小沢新党」支持率は3・7% 産経・FNN世論調査 +(1/2ページ) - MSN産経ニュース
小沢新党に「期待しない」82%…読売世論調査 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
ということで結党前から既に指摘されていましたけど細かな数字の違いはともかくとしても概ね小沢さん新党への支持率はボロボロだそうで。それなのに『国民の生活が第一』と自己紹介しなければならない辺り、なんというかものすごくシュールな絵でありますよね。ただの民主党自民党のそれよりも悲愴感がダンチです。支持率一桁なのに『国民の生活が第一』党。片思い過ぎてもう……笑っていいのか悲しめばいいのかよく解りません。
ところでどう見ても小沢さんのそれは現・民主党が置き去りにしてきた政策というか教義を前面に押し出したものであるわけですよね。それを進歩と呼ぶべきか後退と呼ぶべきか妥協と呼ぶかは個々人に任せるとしても、やはり彼らの主張するそれはマニフェスト原理主義であると同時に『民主党原理主義派』でもあるわけで。かつての民主党の姿を再現しようとしている人たち。
新党の中の人や小沢さんがどこまで本気で信じているのかまでは解りませんけど、好きにやったらよろしいでしょう。ついでに言うと、支持したい人も、民主党は支持するけど小沢新党には反対だという人も、元から民主にも反対だったんだという人も、それぞれ好きにすればよろしいと思います。それこそが自由な普通選挙であるわけだし。失敗したら失敗したでどうせ最後に責任を取らなくてはいけないのは私たちなのだし。


しかし、正直マスコミのみなさま「だけ」は一体どうなっているのかと聞きたくなります。
だって小沢さんのそれを「(現実離れした)マニフェスト原理主義だ!」と今になって批判するのはいいんですけど、というかどの社説も小沢新党に総批判状態なわけで、でもそのマニフェストってあなたたちがかつてほぼそのまま鵜呑みにして持ち上げていた民主党のモノそのものですよね? と。
この人たちは何でそれを今更になってしれっと批判しているのでしょうか。言っていることはどちらも殆ど同じなのに。ほぼ中身の同じものをかつては好意的にとりあげていたくせに、今になって猛烈に批判している。
その意味で、今の小沢新党を「現実的でない!」とマスコミの皆様が一斉に批判すればするほど墓穴を掘っていることに気付いていないのかなぁと。一体あの時の賞賛はなんだったのかと。あの時から本気で信じていたならともかく、こうして誰もが手の平を返してしまっている。そうした変節はそれぞれ有権者の皆さまとしては批判するも賛成するも勝手にすればいいと思うんです。
ただそれって『報道機関』としてはどうしようもないよなぁと。有権者が学習したように、マスコミも学習したとでも言いたいのでしょうか。んなアホな。いやまぁ日本のマスコミって元からそんなものなんだろうと言われればその通りで身も蓋もなくなってしまいますけど。


ただ何も考えていないだけなのか、あるいは心底視聴者がバカだと確信しているのか、それとも有権者の声を代弁しているだけなのか。そもそも彼らはこれが『踏み絵』だということに気付いているのか?
ほんと彼らは一体何を考えて、小沢新党に対して――その決定的な矛盾を抱えるであろう――猛バッシングを仕掛けているんでしょうね?